ジャン3世 (ブルターニュ公)

ジャン3世（ブルターニュ公）

ジャン3世（1286年3月8日 - 1341年4月30日）は、ブルターニュ公であり、アルテュール2世とリモージュ子爵マリーの長男として生まれました。

生涯

母からリモージュ子爵位を継承したジャン3世は、1301年から1314年、そして1317年から1331年までリモージュを統治しました。父の跡を継いでブルターニュ公となると、父と2番目の妃ヨランドの結婚の正当性に異議を唱え、アルテュール2世の遺産を巡って長く争いました。1315年には、ルイ10世によるフランドル遠征に参加。フランス王側として、フィリップ・ド・ヴァロワ（後のフィリップ6世）と共にカッセルの戦いに挑み、負傷しています。

1316年、彼は自身の紋章をエルミーヌ（イタチ）の紋様へと変更しました。この紋様は、現在もブルターニュを象徴するものとして残っています。

子供がいなかったジャン3世は、後継者として異母弟のジャン・ド・モンフォール（継母の子）との関係が複雑でした。彼はブルターニュをフランス王領にしたいという思いも抱いていました。そのため、同母弟ギィの娘であるジャンヌ・ド・パンティエーヴルを、フィリップ6世の甥であるシャルル・ド・ブロワと結婚させました。

1338年、ジャン3世はフランス王を支援するため、ブルターニュ艦隊を低地諸国のスロイスへ派遣しましたが、艦隊はイングランド海軍に打ち破られました（スロイスの海戦）。その後、彼はフィリップ6世の支援に向かい、フランドルからの帰路の途中、カーンで亡くなりました。

ジャン3世が後継者問題を解決しなかったことが、彼の死後、ブルターニュ継承戦争を引き起こす原因となりました。

結婚

ジャン3世は3度結婚しましたが、いずれの結婚でも子供を授かることはありませんでした。最初の2人の妃とは死別しています。

1. 1297年 - イザベル・ド・ヴァロワ（1309年没、シャルル・ド・ヴァロワとマルグリット・ダンジューの娘）
2. 1310年 - イザベル・ド・カスティーリャ（1328年没、カスティーリャ王サンチョ4世の娘）
3. 1329年 - ジャンヌ・ド・サヴォワ（サヴォワ伯エドアルドの娘）

紋章

ジャン3世は、エルミンを紋章に用いました。

脚注

[参考資料1]
[参考資料2]

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