ジャールカンド解放戦線

ジャールカンド解放戦線（JMM）

ジャールカンド解放戦線は、インドの地域政党であり、主にジャールカンド州を拠点とする政治団体です。この政党は、隣接するオリッサ州や西ベンガル州にも影響力を及ぼしています。略称としてJMMが広く用いられています。

歴史的背景

ジャールカンド解放戦線は、1972年に設立されました。この設立は、ビハール州からの独立を求める「ジャールカンド運動」の流れの中で実現しました。創設当初は、左翼指導者であるA.K.ロイの支持を受け、クルミ・カーストに属する指導者B.B.マハトが党首として、サンタル族の指導者シブ・ソレンが幹事長を務めていました。しかし、時が経つにつれ、シブ・ソレンが党内での影響力を強めたことで、JMMは左派勢力との関係を希薄にし、インド国民会議派（INC）との連携を深化させる方向に舵を切ります。この協力関係は、JMMが連邦レベルでINC主導の統一進歩同盟に参加する理由となっています。とはいえ、内部での権力争いや離脱者も続いており、常に安定した状況が保たれているわけではありません。

政治的展開

2000年には、ビハール州からジャールカンド州の分離が遂に実現しました。それに伴い、同年の州議会選挙でJMMは12議席を獲得し、インド人民党（BJP）に次ぐ第二党の地位を確立しました。続く2004年の連邦下院選挙でも、州割当の14議席のうち5議席を獲得し、2005年の州議会選挙でも再び17議席を取得。これにより、ソレンが一時的に州首相に就任する機会を得ましたが、政治状況の不安定さから早期に辞任を余儀なくされました。2008年には再度州首相に返り咲くものの、再び短命の任期に終わりました。その結果、ジャールカンド州は大統領直轄統治に移行することになります。

近年の状況

2009年の連邦下院選挙では議席数が2に減少し、続く州議会選挙では18議席を獲得し、同年の国内議会でBJPと同じ数の議席に留まりました。多数派工作の結果、シブ・ソレンは3度目の州首相に就任しましたが、彼の政権も長続きせず、再び大統領直轄統治が続きました。その後、2013年7月からはシブ・ソレンの息子、ヘマント・ソレンが州首相に就任し、2024年2月からはチャンパイ・ソレンがその座を引き継いでいます。このように、現在もJMMは州政権を維持しています。

相次ぐ選挙において、2014年の連邦下院選挙ではBJPの台頭に直面しつつも、前回と同じ2議席を確保。2019年の選挙では議席が1に減るなど、厳しい状況も経験しています。こうして、ジャールカンド解放戦線は、その歴史とともに試練を乗り越えながら、地域社会での存在感を示し続けています。

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