ジュウロクササゲ

ジュウロクササゲ（十六大角豆）

ジュウロクササゲ（学名: Vigna unguiculata ver. sesquipedalis）は、ササゲの一亜種にあたります。この植物はアフリカを原産地としており、蔓性の品種です。「長ささげ」や「十八ささげ」など多くの名前で知られるジュウロクササゲは、特に若い莢が食用として重宝されています。

特徴

ジュウロクササゲには、アフリカやアジアの熱帯地域が原産地で、その中でも品種の多様性が特に東南アジアで見られます。この豆は、上方に向かう莢の形状から「ササゲ」という名が付けられ、また一莢に豆が16個含まれていることに由来して「十六ささげ」と名付けられています。熟すと赤褐色のアズキに似た豆が現れますが、亜種名の「sesquipedalis」は「半尺」を示しており、実際にはさやは30 - 40cmの長さを持っており、1尺以上に達することもあります。

草丈は約2 - 4mで、熱帯性であるため高温や乾燥に強い性質があり、真夏の気候でも結実しますか、低温には弱いです。葉には光沢があり、花は紫色または白の蝶型花を咲かせます。

品種によりさやの長さや色合いが異なります。「けごんの滝」や「紀ノ川」、「つるありささげ紫種」といった品種があり、それぞれの特徴や栽培条件に適したものです。特に「けごんの滝」は40 - 60cmの長さの莢が特徴で、多収穫が期待できる品種として人気です。

栽培方法

ジュウロクササゲは、春に種をまいてから晩春に植え付け、初夏から盛夏にかけて若い莢を収穫します。通常は畑に直まきで栽培しますが、早出し栽培の場合は育苗してからの定植も行われます。この豆は、乾燥や高温に非常に耐性があるため、盛夏時期でも実を結びやすいのが特徴です。

つるは3m以上に伸びることもあるため、強固な支柱を用意し、つるを誘引することで収穫がしやすくなります。莢が40 - 60cmに成長した時点で、柔らかい内に収穫します。また、種を苗ポットに何粒かまき、発芽後に間引きして1本に育成します。植え付け2週間前に畝を作り、堆肥を施しておきます。直まきの場合も畝に株間を空けて種をまき、しっかりと育てることが重要です。

生産と市場

ジュウロクササゲはアフリカや南アジア、東南アジア、中国南部などで広く栽培されており、特に中国では古代の文献にもその存在が記されています。日本では、奈良県を中心に古くから栽培されており、明治時代にはすでに沖縄でも知られていました。

現在では主に愛知県や岐阜県、奈良県、鹿児島県などで栽培されています。特に愛知と岐阜では5月に播種し、7月後半から8月に収穫されます。しかし、沖縄ではウリミバエの影響で本土への移入が禁止されており、地元消費が主となっています。

料理と利用

ジュウロクササゲは主にその若い莢を食用にし、柔らかい状態で調理されます。日本料理では茹でておひたしにしたり、油炒めや煮物として使います。特に奈良県では郷土料理に使用されることが多く、奄美や沖縄料理でも使われています。中国では「豆角」として知られており、様々な炒め物に使われます。健康面でも、血中コレステロールを下げる効果があるとされています。

このようにジュウロクササゲは、栽培が容易でありながら、おいしさや栄養価の高い食材として多くの地域で支持されています。

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