ジュゼッペ・デ・サンティス

ジュゼッペ・デ・サンティス：イタリア映画史に輝く巨匠

ジュゼッペ・デ・サンティス (1917年2月11日 - 1997年5月16日) は、20世紀イタリア映画界を代表する映画監督、脚本家です。ジーノ・デ・サンティス、ジョー・デ・サンティスといった別名義も使用していました。彼の監督作品は13本にのぼり、イタリア・ネオリアリズム運動に多大な影響を与えただけでなく、国際的な評価も高く、数々の賞を受賞しています。

生涯とキャリア

ラツィオ州フォンディに生まれたデ・サンティスは、イタリア国立映画実験センターを卒業後、映画界入りを果たします。弟は著名な撮影監督のパスクァリーノ・デ・サンティスです。1940年には、カミッロ・マストロチンクェ監督作品『ドン・パスクヮーレ』で脚本家としてキャリアをスタートさせました。

1945年、マリオ・セランドレイ、マルチェッロ・パリエロ、ルキノ・ヴィスコンティらと共にドキュメンタリー映画『栄光の日々』を共同監督し、映画監督としてデビューします。続く1947年の監督作品『荒野の抱擁』はヴェネツィア国際映画祭に出品され、高い評価を受けました。翌年には、『ジョヴァンニ・エピスコーポの殺人』のアルベルト・ラットゥアーダと共に、ナストロ・ダルジェント最優秀作品監督賞を共同受賞する快挙を成し遂げました。

1949年の『にがい米』は、カンヌ国際映画祭に出品され、1951年にはアカデミー原案賞にノミネートされるなど国際的な成功を収めました。その後も、『オリーヴの下に平和はない』、『恋愛時代』といった作品を発表し、これらの作品は日本でも公開され、高い人気を博しました。

デ・サンティスは脚本家としても活躍し、ルキノ・ヴィスコンティ監督作品『郵便配達は二度ベルを鳴らす』など数々の名作に携わっています。彼の脚本における鋭い洞察力とストーリーテリングの才能は、監督としての才能と相まって、彼の作品に深みを与えています。

監督としてのキャリアを通して、デ・サンティスは数々の賞を受賞しました。1988年にはヴェネツィア国際映画祭でピエトロ・ビアンキ賞を、1995年には功労金獅子賞を受賞しました。これらの受賞は、彼の映画界への多大な貢献と、作品が後世に残した影響を示すものです。1997年、ローマにて心臓発作のため80歳で亡くなりました。

代表作とフィルモグラフィー

デ・サンティスの作品は、イタリアの社会情勢や人々の心情を深く反映しており、ネオリアリズムの精神を受け継ぎつつ独自のスタイルを確立しました。代表作として挙げられるのは以下の通りです。

『荒野の抱擁』 (Caccia tragica, 1947): ネオリアリズムの要素が色濃く反映された初期作品。
『にがい米』 (Riso amaro, 1949): 国際的な成功を収め、アカデミー賞にもノミネートされた代表作。社会の矛盾と人間の葛藤が描かれています。
『オリーヴの下に平和はない』 (Non c'è pace tra gli ulivi, 1950): イタリア内戦後の社会問題を扱った作品。
『恋愛時代』(Giorni d'amore, 1954): サン・セバスティアン国際映画祭で銀の貝殻賞を受賞した作品。

これ以外にも、『ローマ11時』、『人間と狼』、『一年の長い道』など、数多くの作品を監督し、脚本家としても数々の作品に携わりました。晩年まで映画制作に携わり、1995年の『明日はまた別の日』が最後の監督作品となりました。

まとめ

ジュゼッペ・デ・サンティスは、イタリア映画史に燦然と輝く巨匠です。ネオリアリズムを代表する監督としてだけでなく、脚本家としても卓越した才能を発揮し、イタリア映画、そして世界映画界に計り知れない貢献をしました。彼の作品は、今日でも世界中の映画ファンを魅了し続けています。彼の功績は、これからも高く評価され続けることでしょう。

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