ジュゼッペ・ピアッツィ

ジュゼッペ・ピアッツィの生涯と業績

ジュゼッペ・ピアッツィ（Giuseppe Piazzi, 1746年7月16日 - 1826年7月22日）は、イタリアの天文学者であり、数学者、そして神学者でもありました。彼は1790年にシチリアのパレルモ天文台の初代台長に就任し、天文学の研究に尽力しました。彼の最も著名な功績は、1801年に小惑星ケレスを発見したことです。

小惑星ケレスの発見

19世紀の幕開けとなる1801年1月1日、ピアッツィは天体観測中に、恒星とは異なる動きをする天体を発見しました。当初、彼はこの天体を彗星であると考えていましたが、その後の観測によって太陽系の天体であることが確認されました。しかし、ピアッツィは病に倒れ、2月11日を最後に観測を中断せざるを得なくなりました。

この天体は当初、ローマ神話の女神ケレスとナポリ王フェルディナンド4世にちなんで「ケレス・フェルディナンデア」と命名されました。しかし、政治的な理由により後に国王の名が削除され、現在では「ケレス」として知られています。ケレスはその後、太陽に接近したために一時的に行方不明となりましたが、カール・フリードリヒ・ガウスによる軌道計算によって、同年12月にフォン・ツァッハとヴィルヘルム・オルバースによって再発見されました。ケレスは、最初に発見された小惑星であり、現在も小惑星帯で最大級の天体の一つです（2006年に準惑星に分類されました）。

その他の功績

ピアッツィの業績を称え、1923年にカール・ラインムートがハイデルベルクで発見した通算1000番目の小惑星には「ピアッツィア」と命名されました。また、月面にある「ピアッツィ・クレーター」も、彼に敬意を表して名付けられています。

ピアッツィの影響

ジュゼッペ・ピアッツィの発見は、天文学の分野に大きな影響を与えました。小惑星の存在を初めて明らかにしたことで、太陽系の理解が深まりました。また、彼の観測技術と詳細な記録は、その後の天文学研究において重要な基礎となりました。ピアッツィの天文学に対する貢献は、現在でも高く評価されています。

参考資料

Friedrich Becker: Geschichte der Astronomie. BI-Hochschultaschenbücher Band 298, 3. Auflage, Bibliogr. Inst., Mannheim - Wien - Zürich 1968
Günter D. Roth: Kosmos Astronomiegeschichte – Astronomen, Instrumente, Entdeckungen, Kosmos-Verlag, Stuttgart 1987.

関連項目

天文学者の一覧
18世紀生まれの天文学者

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