ジュディ・テガート

ジュディ・テガート・ドールトン（Judy Tegart Dalton、1937年12月12日 - ）は、オーストラリア・メルボルン出身の女子テニス選手です。本名はJudith Anne Marshall Tegart Dalton。愛称の「ジュディ」で広く親しまれています。

彼女は、ダブルスで傑出した実績を残し、4大大会すべてで女子ダブルスのタイトルを獲得しました。その勝利数は、女子ダブルス8勝、混合ダブルス1勝にのぼります。1968年のウィンブルドン選手権では、旧姓のジュディ・テガートとして女子シングルスで準優勝を果たしました。1969年にはイギリス人医師デビッド・ドールトンと結婚しています。

生い立ちとキャリア初期

父親はアイルランドのサッカー元代表選手、母親はスコットランド人という家庭に生まれました。1957年から全豪選手権に出場し始め、1962年に初めて女子シングルスのベスト8に進出。この年を機に、4大大会へ活躍の場を広げました。

1964年の全豪選手権では、レスリー・ターナーとのペアで女子ダブルス初優勝。1965年からは、女子テニス国別対抗戦「フェデレーション・カップ」（現在のフェドカップ）でオーストラリア代表選手として活躍しました。

1966年には、全豪選手権の混合ダブルスでトニー・ローチと優勝。全仏選手権ではマーガレット・スミスとのペアで女子ダブルス優勝を果たしました。1967年には、ターナーとのペアで2度目の全豪選手権女子ダブルス優勝。ウィンブルドン選手権では初のベスト8入りを果たしました。

この頃、ジュディ・テガートはオーストラリア国内では優秀なダブルス選手として知られていましたが、世界的な舞台では目立った成績は多くありませんでした。

1968年ウィンブルドン準優勝

1968年のウィンブルドン選手権で決勝に進出したことがきっかけとなり、世界的な知名度を獲得します。この年からテニス界は「オープン化」され、プロテニス選手の4大大会出場が解禁されました。オープン化制度のもとで初めて開催されたウィンブルドン選手権で、第7シードのテガートは、準々決勝でマーガレット・スミス・コート、準決勝で全仏オープン優勝者のナンシー・リッチーを破り、初の4大大会シングルス決勝に進出しました。

決勝ではビリー・ジーン・キングに7-9, 5-7で敗れましたが、その活躍は世界中のテニスファンの注目を集めました。その後、1971年のウィンブルドン選手権でもベスト4に進出しましたが、コートに敗れています。

結婚とキャリアの円熟期

1969年にデビッド・ドールトンと結婚し、ジュディ・テガート・ドールトンと名乗るようになりました。結婚後は、マーガレット・スミス・コートとのダブルスが多く、1969年には全豪オープンとウィンブルドンで女子ダブルス年間2冠を達成しました。

1970年の全米オープンでは、ドールトンとコートは女子ダブルス決勝でロージー・カザルス＆バージニア・ウェード組を破り優勝。この勝利により、ジュディ・テガート・ドールトンは、4大大会すべての女子ダブルスタイトルを獲得する「キャリア・グランドスラム」を達成しました。パートナーのコートは、この年に女子テニス史上2人目の「年間グランドスラム」を達成し、全米オープンでは女子シングルス・女子ダブルス・混合ダブルスの3部門を制覇する「ハットトリック」も達成しました。

1971年の全米オープンでは、ロージー・カザルスとのペアで女子ダブルス優勝。これが彼女にとって最後の4大大会女子ダブルス優勝となりました。レスリー・ターナーとのペアで2勝、マーガレット・コートとのペアで5勝、ロージー・カザルスとのペアで1勝、合計8つの4大大会女子ダブルスタイトルを獲得しました。

1970年にプロテニス選手となり、1977年12月の全豪オープンでイボンヌ・グーラゴングとの準々決勝に進出。1978年に38歳で現役を引退しました。

長年にわたりダブルスの名手として活躍したジュディ・テガート・ドールトンは、その功績により、テニス史に名を刻む偉大な選手として記憶されています。

主な戦績

4大大会ダブルス優勝
全豪選手権　女子ダブルス：4勝（1964年、1967年、1969年、1970年）、混合ダブルス：1勝（1966年）
全仏選手権　女子ダブルス：1勝（1966年）
ウィンブルドン　女子ダブルス：1勝（1969年）、女子シングルス準優勝：1968年
* 全米オープン　女子ダブルス：2勝（1970年、1971年）

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