ジュバ

南スーダンの首都ジュバ：歴史、気候、経済、交通、教育、スポーツ

ジュバは、南スーダンの首都であり、旧中央エクアトリア州、ジュベク州の州都でもあります。白ナイル川に臨むこの都市は、標高550mに位置し、2014年の人口は約49万人と報告されています。

歴史

ジュバの歴史は、19世紀に「ゴンドコロ」という交易所兼施設が郊外に置かれたことから始まります。オスマン帝国の駐屯地としては最南端に位置していましたが、マラリアに苦しめられました。その後、ギリシャ人の貿易商が白ナイル川西岸に町を作り、現地の部族と良好な関係を築きながら、現在のジュバの商業地区を建設しました。

20世紀に入り、ジュバは「英埃領スーダン」の一部となり、南北スーダンの統合が決定されました。しかし、1955年にジュバで発生した南部兵士の反乱が第一次スーダン内戦に発展し、第二次スーダン内戦中も多くの戦いの焦点となりました。2005年、スーダン人民解放軍がジュバを制圧し、和平合意により南部スーダンの恒久的首都となりました。2011年の分離独立後は、正式にその首都としての地位を確立しました。

独立後、国際連合南スーダン派遣団（UNMISS）がジュバに駐留し、日本の自衛隊もPKO部隊として派遣されました。しかし、2013年にはクーデター未遂事件が発生し、軍部の武力衝突が民族間の抗争となり、多数の市民が犠牲となる騒乱が起きました。2016年には、WFPの倉庫が略奪に遭い、食糧や機材が奪われる事件も発生しました。

気候

ジュバはサバナ気候に属し、12月から1月にかけて乾季となり非常に乾燥します。年降水量は約1000mmです。

人口動態

2008年の国勢調査では約37万人でしたが、内戦から避難していた住民の帰還により、人口は急増していると考えられています。

経済

ケニア商業銀行が南スーダン本店をジュバに置き、ウガンダの保険会社も事務所を構えています。南スーダンはスーダン全体の石油産出量の大部分を占めていますが、インフラが北スーダンに集中しているため、石油収入は南北で折半されています。石油利権は、国営石油のほか、中国、マレーシア、インドなどが保有しています。農業は内戦の影響で完全には回復しておらず、製造業も限られています。しかし、内戦後の復興期にあるため、建設業や砂利採取事業が盛んに行われています。

交通

ジュバの河港は、白ナイル川（バハル・アル＝ジャバル）を利用した交易の拠点でした。かつてはナイル川に架かる橋が1本しかなく、交通のボトルネックとなっていましたが、日本のJICAの支援により新たな橋「フリーダム・ブリッジ」が建設され、2022年に完成しました。内戦前にはハイウェイが通り、周辺国への中継地でしたが、内戦で寸断された道路の復旧が進められています。ジュバ空港は、国連やNGOの支援活動に利用されており、周辺国からの航空便が就航しています。ウガンダとの間では鉄道建設の合意がなされており、ケニアとの間でも同様の計画が予想されています。

教育

ジュバには、2010年にハルツームから移転してきたジュバ大学があります。

スポーツ

2011年には、ジュバスタジアムが改修され、南スーダン独立の翌日には、サッカー南スーダン代表がケニアのプロチームと親善試合を行いました。

ジュバは、内戦の傷跡を残しながらも、復興に向けて歩みを進めています。国際社会の支援を受けながら、経済発展、インフラ整備、教育の充実などを通して、南スーダンの未来を担う都市として発展していくことが期待されています。

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