ジュリア (河村隆一の曲)

河村隆一のソロ活動における重要な転換点となったシングル『ジュリア』は、2001年8月22日にgai RECORDSより発売されました。彼の7枚目のシングル作品であり、LUNA SEAの活動休止後、3作目として世に送り出されたものです。

作詞・作曲・編曲は、多くの楽曲を手掛けたЯKが担当。ただし、表題曲『ジュリア』の編曲には、土方隆行氏と(K)assyi氏も参加しています。この『ジュリア』は、それまでの河村隆一、そしてLUNA SEAのイメージを大きく覆す作品となりました。ミュージックビデオでは、七三分けの髪型に黒縁眼鏡をかけた河村隆一が、ジュリアナ東京を彷彿とさせるボディコン姿の女性ダンサーたちと、独特のダンスを披露しています。このダンスは、後に『ジュリアダンス』と呼ばれるようになりました。

この楽曲は、既存のイメージからの脱却を図る、河村隆一自身の強い意志が反映されたものと言えるでしょう。従来のしっとりとしたバラード路線とは全く異なる、実験的で刺激的な試みは、音楽ファンの間で大きな話題を呼びました。

シングルには、『ジュリア』の他に、『Yeah Yeah』、『浪漫』、『Say a Little Prayer』提供楽曲のセルフカバー『a day』を歌詞とタイトルを変えた『Say a Little Prayer』のセルフカバーが収録されています。『ジュリア』のアレンジ違いとして、『ジュリア（ac g version）』と『ジュリア（for you）』も収録されており、楽曲のバリエーションの豊かさも魅力の一つです。

『ジュリア』は、ハウス食品オーザックのCMソングにも起用され、さらに知名度を高めました。また、2001年12月31日には、『第52回NHK紅白歌合戦』に出場。当時人気を博していた女性アイドルグループ、ラッキー・レッグスがバックダンサーを務め、大きな注目を集めました。

しかし、後にリリースされたセルフカバーアルバム『evergreen anniversary edition』（2007年発売）には、『ジュリア』は収録されませんでした。『君の前でピアノを弾こう』や『恋をしようよ』といった他の楽曲と共に、このアルバムからの選外となりました。これは、このアルバムの選曲方針や、楽曲の全体的なバランスなどを考慮した結果だと思われますが、ファンにとっては少し残念な部分かもしれません。

『ジュリア』は、河村隆一というアーティストの多様な魅力と、音楽表現における大胆な挑戦を示す、重要な作品であると言えるでしょう。従来のイメージにとらわれず、常に新しい表現を探求する姿勢は、彼の音楽活動全体を通して貫かれている重要な要素の一つです。このシングルは、彼のアーティストとしての幅広さを示す、記念碑的な作品として記憶されています。

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