ジュリアナ・ヴェラスケス

ジュリアナ・ヴェラスケス（Juliana Velasquez）は、1986年10月19日にブラジルのリオデジャネイロに生を受けた、世界で活躍する女性総合格闘家です。現在は地元のチーム・ノゲイラに所属し、かつてBellator世界女子フライ級のタイトルを獲得するなど、その実力は高く評価されています。

彼女の格闘技の旅は、非常に幼い頃から始まりました。4歳という若さで、父親の影響を受けて柔道の世界に入門。15歳からは本格的に競技大会に出場し、柔道家としてキャリアを積みました。ブラジル代表としてオリンピック出場という大きな目標を掲げ、日々練習に励みましたが、残念ながらその夢は叶えることができませんでした。柔道で培った強力なグラップリングスキルは、後に総合格闘技のキャリアにおいて、彼女の強力な武器となります。

柔道での道を極めることが叶わなかったヴェラスケスは、28歳を迎えた頃、新たな挑戦として総合格闘技への転身を決意します。2014年にプロデビューを飾ると、その才能はすぐに開花しました。ローカル団体での活動期間中、彼女は対戦相手を次々と打ち破り、プロキャリアのスタートを5戦全勝という完璧な成績で飾りました。この快進撃が、世界的なプロモーションであるBellatorの目に留まるきっかけとなります。

連勝街道を突き進んでいたヴェラスケスは、2016年12月17日、Bellator 189大会で待望のBellator初参戦を果たします。このデビュー戦でナ・リャンと対戦し、柔道で培った寝技の技術を存分に発揮。2ラウンドに見事な腕ひしぎ十字固めを極めて一本勝ちを収め、Bellatorの舞台に鮮烈な印象を残しました。

Bellatorでも勝利を積み重ねたヴェラスケスは、遂に世界の頂点に立つチャンスを掴みます。2020年12月10日に行われたBellator 254大会で、Bellator世界女子フライ級チャンピオンのイリマ＝レイ・マクファーレンに挑戦。このタイトルマッチはフルラウンドに及ぶ激闘となりましたが、ジャッジは3-0でヴェラスケスを支持。判定勝利により、見事チャンピオンベルトを腰に巻きました。無敗のまま世界の頂点に立った瞬間でした。

新チャンピオンとしての最初の防衛戦は、2021年7月16日のBellator 262大会で行われました。挑戦者は、女子フライ級ランキング3位の実力者デニス・キールホルツ。この試合もまた、5ラウンドまで粘り強く戦い抜く展開となりましたが、2-1のスプリット判定でヴェラスケスが勝利し、王座の初防衛に成功しました。

しかし、無敗の記録は永遠ではありませんでした。2022年4月22日、Bellator 278大会で、女子フライ級ランキング2位のリズ・カムーシュを相手に2度目の防衛戦に臨みます。試合はグラウンドの攻防となる中、4ラウンドにカムーシュの強烈なグラウンド肘打ちの連打を浴び、レフェリーが試合をストップ。TKO負けを喫し、王座から陥落しました。これは彼女のプロキャリア13戦目にして初めての敗北でした。

失ったタイトルを取り戻すため、ヴェラスケスは2022年12月9日のBellator 289大会で、再びリズ・カムーシュに挑戦します。しかし、運命は再びカムーシュに味方しました。2ラウンド、ヴェラスケスはカムーシュに腕ひしぎ十字固めを極められ、一本負けを喫し、王座奪還は叶いませんでした。

これまでに、彼女はBellator世界女子フライ級王座（第2代）に加え、ローカルプロモーションである1° Round Combatで女子バンタム級王座（2016年）を獲得しています。

ジュリアナ・ヴェラスケスのキャリアは、柔道家としての挑戦、総合格闘家としての飛躍、世界の頂点での輝き、そして王座を巡る激しい戦いと失意という、ドラマに満ちた軌跡を辿っています。その柔道を基礎とした確かな技術と、タフな精神力は、多くの格闘技ファンを魅了し続けています。

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