ジュリエット・ゲーム

映画『ジュリエット・ゲーム』の概要

『ジュリエット・ゲーム』は、1989年2月4日に公開された日本の映画で、演出家・鴻上尚史の監督デビュー作です。この作品はシェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』をベースにしたストーリーを展開し、作中には劇中劇として『ロミオとジュリエット』の上演も見られますが、オリジナルとは異なるユニークな展開が魅力となっています。

あらすじ

主人公の正彦は小学校の教師で、ある日、真智子に出会い、一目で彼女に恋をします。しかし、真智子を狙うのは彼だけではなく、もう一人の男性も真智子に魅力を感じています。それでも、正彦は彼女を追い続けます。物語は彼の一途な恋心と、背後に潜むライバルとの関係を描きながら進んでいきます。

出演者

主なキャストには、正彦役を村上弘明、真智子役に国生さゆりをはじめ、靖子役の手塚理美、明美役の高橋ひとみ、謎の男は橋爪功が演じています。また、岩崎ひろみや伊武雅刀など、その他にも多くの俳優が登場し、物語を彩ります。

スタッフ

本作の脚本と監督を務めたのは鴻上尚史で、企画には村上光一と堀口壽一が関わっています。プロデューサーは伊地智啓と河井真也、撮影は仙元誠三が担当しました。音楽面においては、星勝が音楽プロデューサーを務め、大平太一が音楽監督を担当しています。美術は種田陽平、編集は冨田功が行っており、助監督は渡辺孝好が担っています。配給はヘラルド・エースと日本ヘラルド映画で、製作はフジテレビが関与しています。

音楽

映画のテーマ曲には「ジュリエット・ゲーム」が使用され、挿入歌には忌野清志郎 & The Razor Sharpsによる「スタンド・バイ・ミー」や、RCサクセションの「トランジスタ・ラジオ」、オズニー・メロの「エブリシング・チェンジズ」など、様々な楽曲が挿入されています。特に、映画の音楽は物語の雰囲気を高める重要な要素となっています。

制作にまつわるエピソード

主演の村上弘明が演じる正彦は、アルバイト時代の思い出として“デパートの屋上のショー”の話をする際に、過去に彼が出演した『仮面ライダー (スカイライダー)』の変身ポーズを再現する場面があり、観客を楽しませました。また、劇中には橋から飛び降りるシーンがあり、ここでも「変身」と叫ぶことにより、視聴者に懐かしい感覚を与えています。

監督の鴻上は、映画のラストシーンについて当初意図していた構想を明かしています。その内容は、映画の冒頭同様に主人公たちが駅のホームで出会って抱き合い、徐々に引いていくカメラが上海の駅を映し出すというものでした。しかし、制作予算の制約から実現には至りませんでした。彼は「将来、必ず本当のラストでリメイク版を作りたい」との意欲を示しています。

まとめ

『ジュリエット・ゲーム』は、単なる恋愛映画ではなく、恋の行方や人間関係の複雑さ、また演劇や音楽の要素を通じて豊かなストーリーを紡ぎ出しています。観る者を惹きつける独自の魅力が、この作品には詰まっています。

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