ジュルジェヴィ・ストゥポヴィ修道院

ジュルジェヴィ・ストゥポヴィ修道院は、セルビアのサンジャク地方、ノヴィ・パザルの近郊に位置する正教会の修道院です。小高い丘の上に建てられており、ノヴィ・パザルの渓谷と美しい町並みを一望できる景勝地でもあります。「聖ゲオルギの柱修道院」とも呼ばれています。

歴史

修道院は1168年に、セルビア王国の首都ラス近郊で、当時のラシュカの支配者であったステファン・ネマニャによって創設されました。創建当時の12世紀に遡る会食堂、共同寝室、貯水槽、入り口の塔の壁などの遺跡群が今も残されており、その歴史を物語っています。

しかし、14世紀末にオスマン帝国によってセルビアが占領されると、修道院は徐々に衰退していきました。さらに、1912年に始まった第一次バルカン戦争によって破壊され、大きな損害を受けました。

聖ゲオルギウス聖堂には、13世紀に遡る優れたフレスコ画がありましたが、損傷が激しく、その大部分はベオグラードの国立博物館に移管されています。往時の美しいフレスコ画を現地で見ることは叶いませんが、博物館でその一部を鑑賞することができます。

1979年、ジュルジェヴィ・ストゥポヴィ修道院は、スタリ・ラスの遺跡やソポチャニ修道院とともに、「スタリ・ラスとソポチャニ」の一部としてユネスコの世界遺産に登録されました。これは、修道院の歴史的、文化的価値が国際的に認められたことを意味します。

再建

修道院の再建を求めるキャンペーンは、1960年から1982年にかけて行われました。そして、2001年からは体系的な再建工事が開始されました。主教アルテミイェが現場に3人の修道士を派遣し、工事の監督に当たらせています。これにより、修道院は徐々にその姿を取り戻しつつあります。

ジュルジェヴィ・ストゥポヴィ修道院は、セルビアの歴史と文化を伝える貴重な遺産です。その美しい景観と歴史的な建造物は、訪れる人々を魅了し続けています。再建が進むことで、かつての輝きを取り戻し、より多くの人々にその魅力を伝えることができるでしょう。

関連情報

修道院の一覧
スタリ・ラスとソポチャニ
スタリ・ラス
ソポチャニ修道院
* 公式サイト

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