ソポチャニ修道院

ソポチャニ修道院：中世セルビア美術の傑作

ソポチャニ修道院は、13世紀後半にセルビア王国の中心地であったラス地方に、ステファン・ウロシュ1世によって建てられた正教会の修道院です。ラシュカ川の源流近くに位置し、その静謐な佇まいは訪れる人々を魅了します。

歴史

修道院の付属聖堂は至聖三者に献堂され、1265年頃に完成しました。内装の装飾はその少し後に行われました。祭壇には、1263年にセルビア正教会の首座主教となった大主教聖サヴァ2世が描かれています。

しかし、ソポチャニ修道院は平穏な時代ばかりではありませんでした。16世紀には、オスマン帝国の脅威により、修道士たちは一時的に修道院を離れることを余儀なくされました。さらに1689年のオスマン帝国軍による襲撃では、修道院に火が放たれ、聖堂の屋根の鉛が持ち去られるという被害を受けました。修道士たちは重要な遺品を持ってコソボへと避難しましたが、それらがソポチャニに戻ることはありませんでした。

破壊された修道院はその後200年以上もの間、顧みられることなく朽ち果てていきました。ヴォールトは凹み、ドームは崩落し、周辺の建造物も土や瓦礫に埋もれていきました。

フレスコ画

ソポチャニ修道院の最大の魅力は、何と言ってもその美しいフレスコ画です。中世セルビア美術の専門家の中には、ソポチャニのフレスコ画をこの時代のものとして最も美しいと評価する人もいます。

身廊の西側の壁に描かれている『生神女の就寝』は、特に名高いフレスコ画作品です。その繊細な描写と鮮やかな色彩は、見る者を圧倒します。また、200年以上にわたり風雨にさらされながらも、その美しさを保っていることは驚嘆に値します。

復興と世界遺産

20世紀に入り、ソポチャニ修道院は修復され、献身的な修道士たちによって再び落ち着いた佇まいを取り戻しました。そして1979年には、「スタリ・ラスとソポチャニ」の一部としてユネスコの世界遺産に登録され、その文化的価値が世界的に認められました。

ソポチャニ修道院は、その歴史、美術、そして精神性において、中世セルビアの重要な遺産です。訪れる人々は、その美しいフレスコ画を通して、中世の信仰と芸術に触れることができるでしょう。

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