ジュンツ・パル・シ

ジュンツ・パル・シ (Junts pel Sí) とは

ジュンツ・パル・シ（Junts pel Sí、JxSÍ ）は、2015年9月27日に実施されたカタルーニャ自治州議会選挙のために、複数の政党や団体が結集して設立された選挙連合です。「イエス（Sí）へ共に」という意味を持つこの連合は、カタルーニャの独立を主要な目標として掲げました。

構成政党と参加団体

ジュンツ・パル・シは、以下の主要政党によって構成されていました。

カタルーニャ民主集中（CDC）
カタルーニャ共和主義左翼（ERC）
カタルーニャ民主主義者（DC）
左翼主義者運動（MES）

これらの政党に加え、カタルーニャ民族会議（ANC）、オムニウム・クルトゥラル、独立のための自治体協会、スマテといった独立主義を支持する組織も参加しました。さらに、独立のためのカタルーニャ連帯、Reagrupament、カタルーニャ・シ、カタルーニャ・アクシオー、アバンセムなどが支持を表明しました。ただし、人民統一候補（CUP）は、候補者リストへの参加を打診されたものの、最終的には参加を見送っています。

主要な候補者

各県の候補者リストの筆頭には、以下の人物が名を連ねました。

バルセロナ県: ラウル・ルメーバ（元欧州議会議員、カタルーニャ緑のためのイニシアティブ）
ジローナ県: リュイス・リャック（シンガーソングライター）
タラゴナ県: ジャルマー・ベル（エコノミスト）
リェイダ県: ジュゼップ・マリーア・フルネー（公務員）

バルセロナ県のリストには、カルマ・フルカデイ（ANC）、ムリエル・カザルス（オムニウム・クルトゥラル）、アルトゥール・マス（CDC）、ウリオル・ジュンケーラス（ERC）なども含まれていました。

選挙連合設立の経緯

2015年7月中旬、CDCとERC、そしてANCとオムニウム・クルトゥラルの間で、州議会選挙における独立派候補者リストに関する合意が成立しました。当初の提案では、バルセロナ県の候補者リスト上位に、まず3人の無所属の人物を配置し、その後にマスとジュンケーラス、さらに3人の無所属候補を並べることが決定されました。その後、CDCとERCの党員から6対4の割合でカタルーニャ民主主義者と左翼運動家を候補者とすることになりました。

人民統一候補（CUP）もリストへの参加を打診されましたが、候補者リストの提案内容が変更されたため、最終的に参加を拒否しました。この合意では、選挙で勝利した場合、州首相にはCDCから、副首相と州議会議長はERCから選出されることが定められていました。これは、アルトゥール・マスが州首相、ウリオル・ジュンケーラスが州副首相に就任することを意味し、CDCとERCを中心とした政権運営を目指すものであったため、CUPは当初から反対していました。

ジュンツ・パル・シは、2015年7月20日にカタルーニャ歴史博物館の屋上テラスで大々的に発表され、支持政党や支持勢力、そしてマスコミに対してその存在をアピールしました。

選挙結果とその後

ジュンツ・パル・シと人民統一候補を合わせた独立派は、議席数では過半数を超える72議席を獲得したものの、得票数では過半数に届かず、事前の予想を下回る結果となりました。また、これは前回選挙で独立派が獲得した74議席よりも2議席少ない結果でした。ジュンツ・パル・シは1,620,973票（39.54%）を獲得し、62議席を得て第1党となりましたが、目標としていた過半数には達しませんでした。

この選挙結果は、カタルーニャの独立運動に大きな影響を与え、その後の政治情勢を大きく左右することとなりました。

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