リェイダ県

リェイダ県：カタルーニャ州の豊かな自然と文化が織りなす地域

スペイン北東部、カタルーニャ州に位置するリェイダ県は、多様な魅力を秘めた地域です。県都はリェイダで、カタルーニャ語表記のProvíncia de Lleidaが公式名称となっています。スペイン語表記のProvincia de Léridaも用いられますが、公式にはカタルーニャ語名が優先されます。

地理と自然

リェイダ県は、カタルーニャ州の他の3県（ジローナ県、バルセロナ県、タラゴナ県）と、アラゴン州のサラゴサ県とウエスカ県、さらにはフランスとアンドラ公国に接しています。県内には、アイグアストルタス・イ・アスターニ・ダ・サン・マウリーシ国立公園などの自然保護区も存在し、豊かな自然環境が保たれています。

農業も盛んであり、特にナシやモモなどの果物の生産が有名です。温暖な気候と肥沃な土地が、これらの果物の栽培に適していると言えるでしょう。

歴史

1833年のスペイン地方行政区分再編で設置されたリェイダ県は、当初、スペイン語名のレリダ（Lérida）を正式名称としていました。しかし、1970年代末から1980年代初頭にかけてのスペイン民主化移行期に、カタルーニャ州が成立。カタルーニャ語とスペイン語が公用語となり、1992年には県と県都の正式名称がカタルーニャ語名のリェイダ（Lleida）に変更されました。さらに、2010年にはアラン語が公用語に追加され、現在ではカタルーニャ語、スペイン語、アラン語の3言語が公用語となっています。

行政区画

リェイダ県は231のムニシピオ（基礎自治体）から構成され、県都リェイダは県全体人口の約30％を占めています。リェイダ以外にも、ラ・セウ・ドゥルジェイ、ムリャルーサ、サルベーラ、タラガなど、歴史と文化が豊かな町々が存在します。また、行政区分としては13のコマルカ（郡）に分けられています。

さらに、司法管轄区は10に区分されており、それぞれの管轄区域には複数の自治体が含まれています。（例として、トレム司法管轄区にはアベーリャ・ダ・ラ・コンカ、アリンス、アル・アネウなど多数の自治体が含まれます。同様にして、バラゲー、サルベーラ、リェイダ、ラ・セウ・ドゥルジェイ、ビエーリャ・エ・ミジャラン、スルソーナといった司法管轄区も存在します。）

言語

リェイダ県では、カタルーニャ語、スペイン語、アラン語の3言語が公用語として使用されています。特に「lleidatà」と呼ばれる独特の方言は、西カタルーニャ語圏内の北西カタルーニャ語に分類され、バレンシア語との共通点も見られます。

アラン谷（バル・ダラン郡）は、オック語の一種であるアラン語が話されている特異な地域です。アラン語は、2010年までバル・ダラン郡のみに限って公用語でしたが、その後カタルーニャ州全体で公用語となりました。

観光名所

リェイダ県には、歴史的建造物や自然豊かな観光地が多く存在します。

リェイダ旧大聖堂（Seu Vella）： ロマネスク様式とゴシック様式が融合した壮大な建築物で、ヨーロッパ最大級の回廊が特徴です。
バル・デ・ボイ： ロマネスク様式の聖堂群が有名で、ユネスコの世界遺産にも登録されています。
アラン谷： アラン語が話されている地域で、独特の文化に触れることができます。
サンタ・マリア王立修道院（Real Monasterio de Santa María de Vallbona）： 歴史ある修道院。
* おもちゃとロボットの博物館（Museu de Joguets i Autòmats）： 珍しいコレクションが見られる博物館。

リェイダ県は、歴史、文化、自然が調和した魅力的な地域であり、訪れる価値のある場所です。

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