ジョイックス交通

有限会社ジョイックス交通は、佐賀県神埼市に本拠を構え、地域における乗合バスおよび貸切バスの運行を事業としています。貨物運送業などを主要な事業とするジョイックスシステムを中核とするジョイックスグループの一員であり、公共交通の一端を担う事業者として、公益社団法人日本バス協会および一般社団法人佐賀県バス・タクシー協会に加盟しています。

沿革

会社の歴史は2010年に始まります。この年、地元で営業していたタクシー会社を買収し、有限会社ジョイックス交通へと社名を改め、新たにタクシー事業に進出しました。同時に、かつて神埼タクシーが運行を担っていた神埼市巡回バスの一部を引き継ぐ形で、乗合バス事業にも参入しました。タクシー事業においては、予約型の乗合タクシーである「NORARU」の運行を受託していた時期もありました。

しかし、運転手の高齢化などから事業の継続が困難であると判断し、2025年3月をもってタクシー事業および予約型乗り合いタクシー事業から撤退することが決定されました。これらの事業および所有車両については、吉野ヶ里町を拠点とする吉野ヶ里観光タクシーに継承されることとなりました。

運行路線

路線バス

2020年、昭和自動車が路線再編に伴い神埼三瀬線（佐賀駅BC - 片田江 - 東佐賀 - 神埼駅前 - 広滝 - 三瀬車庫 - 三瀬宿）から撤退しました。これを受けて、ジョイックス交通はこのうち横武から三瀬車庫までの区間に短縮した形で運行を継承しました。継承されなかった区間については、佐賀駅BCから横武の間は西鉄バス佐賀が別の路線を運行していますが、三瀬車庫から三瀬宿の間は路線バスの運行が途絶えることとなりました。

三瀬・神埼線

この路線は、神埼市の中心部と佐賀市三瀬村を結ぶ重要な交通網です。主な停留所は、三瀬支所、三瀬農協前、北山ダム東部入口、池田、唐川、薙野、大内峠、鳥羽院入口、頭野入口、服巻、服巻下、上一番ヶ瀬、下一番ヶ瀬、広滝、山神、広滝公園入口、中の原下、眼鏡橋、岩屋、一の橋、脊振小原、仁比山神社前、仁比山公園下、小渕、飯町、仁比山小学校前、石井ヶ里、鶴、平ヶ里、神埼駅前、神埼駅通り、神埼市役所前、神埼協和町、横武です。

運行本数は平日が8.5往復、土曜日が6往復、日曜日・祝日が4往復となっています。一部区間のみを運行する便も設定されています。

経路は、主に国道263号を進み、池田で県道21号に入り南下します。ほぼ全線を経由した後、JR長崎本線の踏切を越えた所で県道247号に入り神埼駅へ向かいます。さらに県道222号を経由し、神埼駅通りからは国道34号を西に進んで終点の横武に至ります。

主要な乗り換え地点としては、三瀬支所で三瀬地区コミュニティバス、広滝で脊振町通学バス、神埼駅前でJR九州の長崎本線、そして神埼市役所前で西鉄バス佐賀とそれぞれ接続が可能であるため、利用者の利便性が図られています。また、終点の横武は佐賀県立神埼清明高等学校の近辺に位置しており、地域の重要な通学手段としての役割も果たしています。

コミュニティバス等

神埼市巡回バス

神埼市が運行する巡回バスの一部区間を受託しています。

脊振町通学バス

こちらも2020年に昭和自動車が神埼三瀬線と同時に運行から撤退したため、ジョイックス交通が運行を受託することになりました。この路線は脊振山麓線、鳥羽院線、倉谷線の3つの系統で構成されています。起終点となるのは、神埼市脊振支所前にある広滝バス停です。鳥羽院線の広滝から頭野入口までの区間、および倉谷線の広滝から一の橋までの区間は、路線バスである三瀬・神埼線と経路を共有しています。

このバスは「通学バス」という名称が付いていますが、一般の利用者も乗車可能です。運行形態は時間帯によって異なり、通学時間帯は主にバスやジャンボタクシーを使用し、定時定路線での運行が行われます。一方、日中時間帯は、普通タクシー車両を用いた予約制の乗合タクシー、いわゆるデマンドタクシーとして運行されます。このデマンドタクシーには、2020年5月より「ふれあいタクシー」という愛称が付けられました。

ジョイックス交通は、これらの路線バスやコミュニティバスの運行を通じて、佐賀県神埼市およびその周辺地域の公共交通を支える重要な役割を担っています。

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