昭和自動車

昭和自動車株式会社

昭和自動車株式会社（しょうわじどうしゃ、英: Showa Bus Co., Ltd.）は、佐賀県中・北部と福岡県西部を主なエリアとして、路線バス、高速バス、貸切バスを運行するバス事業者です。1937年（昭和12年）9月11日に設立され、本社は佐賀県唐津市にあります。一般的には「昭和バス」の通称で親しまれています。

歴史

昭和自動車は、設立以来、地域社会の発展とともに事業を拡大してきました。以下にその主な歴史をまとめます。

1937年（昭和12年）9月11日 - 会社設立。
1941年（昭和16年） - 北九州鉄道から自動車事業を譲り受け、福岡市内へ路線を拡大。
1983年（昭和58年）2月10日 - 佐賀昭和観光・福岡昭和観光を設立し、中・小型貸切バス事業を分離。
1987年（昭和62年）
4月10日 - 佐賀昭和交通を設立し、佐賀市周辺の不採算路線を移管。
7月17日 - 多久昭和交通を設立し、多久市周辺の不採算路線を移管。
1992年（平成4年）4月1日 - 伊万里昭和交通を設立し、伊万里営業所担当の路線を移管。
1995年（平成7年）4月1日 - 佐賀昭和交通が多久昭和交通を吸収合併。
1997年（平成9年）2月1日 - 佐賀昭和交通・佐賀昭和観光・福岡昭和観光を吸収合併。
1998年（平成10年）8月21日 - 全線の約半分の区間でフリー降車制度を導入。
2000年（平成12年）12月20日 - 佐賀営業所を佐賀市大和町（現・佐賀市）へ移転。
2003年（平成15年）10月1日 - 伊万里昭和交通を吸収合併し、唐津営業所伊万里支所とする。これにより、バス事業は全て昭和自動車本体の直営に戻る。
2004年（平成16年）6月20日 - 福岡地区の営業所を集約。前原営業所は路線バス、福岡営業所は貸切バスのみとなる。
2006年（平成18年）11月1日 - 福岡・前原地区の乗合バス事業再編に伴い、福岡市中心部への一般道直通路線を全廃。
2007年（平成19年）8月30日 - 前原営業所が糸島市に移転し、志摩営業所に改称。
2010年（平成22年）2月27日 - 福岡・前原地区の一般路線バスと一部の高速バスでIC乗車券nimocaを導入。
2012年（平成24年）
3月31日 - 唐津 - 長崎間の高速バス「レインボー壱岐号」運行廃止。
12月1日 - 昭和タクシーと経営統合。
2017年（平成29年）4月1日 - 全路線で精神障害者保健福祉手帳所持者への運賃割引を導入。
2018年（平成30年）
3月12日 - 佐賀地区の一般路線バスでもnimocaを導入。
8月21日 - 伊都営業所を開設。nimocaを使用した乗り継ぎサービスを開始し、前原営業所を志摩営業所に改称。
2019年（令和元年）7月21日 - 志摩営業所を廃止し、伊都営業所に路線を統合。
2020年（令和2年）2月28日 - 都市間高速バス「からつ号」「いまり号」「いと・しま号」にWi-Fiを設置。
2022年（令和4年）10月1日 - 佐賀地区で路線バスに行先番号を設定。
2023年（令和5年）4月11日 - 伊都営業所管内で減便改正を実施（九州大学線のみ）。
2024年（令和6年）4月1日 - 唐津・玄海地区で路線バスに行先番号を設定。運転士不足によりダイヤ改正。

営業所

昭和自動車は以下の場所に営業所を構えています。

唐津営業所（本社）：佐賀県唐津市千代田町2565-5
伊万里支所：佐賀県伊万里市二里町八谷搦15-8
佐賀営業所：佐賀県佐賀市大和町大字東山田2881-1
福岡営業所（貸切事業本部）：福岡県福岡市東区東浜1-8-8
伊都営業所：福岡県福岡市西区大字桑原2489-2（九州大学伊都キャンパス内）

過去には、志摩営業所（福岡県糸島市）も存在しましたが、現在は廃止されています。

高速・特急バス

昭和自動車の高速・特急バスは、緑・青・赤などの斜め模様が特徴的なデザインです。主な現行路線は以下の通りです。

福岡（福岡空港・博多バスターミナル・天神） - 唐津：「からつ号」
福岡空港・博多バスターミナル - 伊万里：「いまり号」
博多バスターミナル・天神 - 前原 - 加布里・伊都営業所：「いと・しま号」
博多バスターミナル・天神 - 二見ヶ浦 - 伊都営業所：「ウエストコーストライナー」

過去には、大阪、熊本、長崎などへ向かう夜行高速バスや、嬉野温泉、呼子、佐世保などへ向かう路線も運行していましたが、現在は廃止されています。

一般路線バス

一般路線バスの車体色は、白地に青・グレー・緑のストライプが入ったデザインが特徴です。1970年代にはステンレス製の車両が使用されていました。

佐賀県

佐賀県内では、唐津市、伊万里市、武雄市、多久市、佐賀市を中心に路線網を展開しています。特に唐津市周辺では、生活に欠かせない公共交通機関として重要な役割を担っています。唐津大手口バスセンターや佐賀駅バスセンターが主な拠点となっています。

主なバスターミナル

唐津大手口バスセンター：唐津市南城内1
呼子発着所：唐津市呼子町呼子4185-15
佐賀駅バスセンター：佐賀市駅前中央1丁目12-1
小城発着所：小城市小城町252

主な路線

唐津 - 佐賀線
唐津 - 伊万里線
呼子線
湊・波戸岬線
野元・名護屋線
有浦線
切木・中浦線
久里・北波多線
七山線
浜玉循環線
鏡線
唐津市内線
大良線
旭ヶ丘線
相知コミュニティバス
志気・成渕線


これらの路線は、地域住民の日常生活を支える重要な交通手段となっています。

佐賀地区

中極・東山田線
古湯線
武雄・多久線


これらの路線は佐賀市を中心に、近隣地域を結ぶ路線です。

福岡県

福岡県内では、福岡市西区と糸島市を中心に路線を展開しています。かつては福岡市中心部へ直通する路線がありましたが、現在は筑肥線の駅を結ぶ二次交通機関としての役割が中心です。

主なバスターミナル

姪浜駅南口
九大学研都市駅
前原発着所
JR前原駅北口・JR前原駅南口

主な路線

マリノア線：姪浜駅とマリノアシティ福岡を結ぶ。
西の浦線：九大学研都市駅と西の浦方面を結ぶ。
九州大学線：九大学研都市駅と九州大学伊都キャンパスを結ぶ。
芥屋線：前原と芥屋を結ぶ。
船越・野北線：前原と船越、野北方面を結ぶ。
糸島サンセットライン：西の浦、二見ヶ浦、野北、芥屋を結ぶ。

これらの路線は、地域住民や大学関係者にとって重要な交通手段となっています。

廃止・移管路線

過去には多くの路線が運行されていましたが、利用者の減少や効率化のために廃止や他社への移管が行われています。主な廃止路線としては、以下のものがあります。

唐津・伊万里地区：伊万里・武雄線、畑川内・黒川線、中浦線、七山線、大屋敷線、東木浦・博多線、肥前フィーダー線、大島線、イオン線、湊線、唐津赤十字病院線、呼子フィーダー線、有浦線、鷹島線など
佐賀地区：北部バイパス線、小城・牛津線、古湯・北山線、三瀬線、背振コミュニティバスなど
福岡県：博多駅交通センター発着の多数の路線など

その他の事業

昭和自動車は、バス事業以外にも以下の事業を行っています。

郵便物輸送業務：郵便ポストの収集や郵便物の配送業務
タクシー事業：唐津市、玄海町、多久市、糸島市でタクシー事業を展開
貸切バス事業：福岡県内外に配車を行う貸切バス事業

車両

昭和自動車は、国産4メーカー（いすゞ、日野、三菱ふそう、UDトラックス）のバスを保有しています。また、韓国製のヒュンダイ・ユニバースも導入しています。近年は、新型車両の導入も積極的に行われており、車両のバリエーションが豊富です。

塗装

現行の塗装は1989年以降に採用されたもので、白地に青・グレー・緑のストライプが入ったデザインです。かつてはステンレス製の車体も採用されていましたが、現在は使用されていません。

グループ会社

かつては多数のグループ会社がありましたが、再編により現在は縮小しています。主なグループ会社としては、福岡昭和タクシー、トヨタレンタリース福岡、福岡トヨタ自動車などがあります。また、日本マクドナルドのフランチャイジーとしても事業を展開しています。

まとめ

昭和自動車は、佐賀県と福岡県西部において、地域に密着した公共交通サービスを提供する企業です。長年の歴史の中で、路線網の拡大やサービスの改善を行い、地域住民の生活を支える重要な役割を担っています。

外部リンク

昭和自動車株式会社 公式ホームページ
昭和グループ

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