ジョジョ・メイヤー

ジョジョ・メイヤー：人力ドラムンベースを体現する革新的ドラマー

ジョジョ・メイヤー（Jojo Mayer）は、1963年1月18日スイスのチューリッヒ生まれ。現在はアメリカのニューヨークを拠点に活動するドラマー、ミュージシャンです。幼少期から音楽に触れ、独学でドラムの腕を磨き、ジャズシーンからエレクトロニカへと独自の音楽性を追求。人力でドラムンベースを再現する革新的なプレイスタイルで、世界中のドラマーに影響を与え続けています。

幼少期からプロ活動開始まで

ベーシストである父ヴァリ・メイヤーの影響を受け、2歳でドラムを始めたジョジョ・メイヤー。3歳という若さで香港にて初演奏を経験します。5歳から6歳頃まで香港で過ごした後、独学でドラムの技術を磨き、18歳からプロのジャズシーンで本格的に活動を開始。モンティ・アレキサンダーのグループに参加し、ノース・シー・ジャズ・フェスティバル、モントルー、ニース、アテネなど、数々の著名なジャズフェスティバルで演奏しました。

ニューヨークへ拠点を移し、独自のスタイルを確立

1991年、ジョジョ・メイヤーは拠点をニューヨークに移し、バックビートミュージックやエレクトロニカに傾倒していきます。そこで、人力でドラムンベースを再現するという独自のプレイスタイルを確立。これは、電子音楽であるドラムンベースの複雑なリズムパターンやサウンドを、高度な技術と創造性によって生身のドラム演奏で表現するという、非常に革新的な試みでした。

自身のバンド「ナーヴ」を結成

1997年、ジョジョ・メイヤーは自身のバンド「ナーヴ（Nerve）」を結成。ナーヴは、ジャズ、エレクトロニカ、ドラムンベースなどの要素を融合させた、他に類を見ない音楽性を持つバンドです。ジョン・デイヴィスがベース、中村卓也がキーボードとトランペットを担当し、ライブパフォーマンスを中心に活動を展開しています。

プレイスタイル：人力ドラムンベースとグルーヴ感

ジョジョ・メイヤーのプレイスタイルは、モーラー奏法やヒール＆トゥなどの高度なテクニックを駆使し、ドラムンベースの複雑なリズムパターンを人力で再現することが最大の特徴です。驚異的な手数の多さはもちろんのこと、ディレイなどのエフェクトすら人力で再現するという、その超絶技巧には目を見張るものがあります。

しかし、彼の演奏は単に機械的な正確さを追求するだけではありません。ジャズやフュージョンといった自身のルーツから得た音楽的エッセンスを多分に含んでおり、非常にグルーヴィーで音楽的なドラミングを展開します。その音楽性は、単なるテクニックに留まらず、聴く者を魅了する深い表現力を持っています。

使用機材：シグネチャーモデル

ジョジョ・メイヤーは、ドラムセットにソナー（Sonor）を使用しています。長年にわたりソナーとエンドース契約を結んでおり、ソナーからは彼のシグネチャー・モデルであるドラムペダル「パーフェクト・バランス（Perfect Balance）」がリリースされています。また、スティックはヴィック・ファース（Vic Firth）、シンバルはセイビアン（Sabian）を使用しており、それぞれシグネチャー・モデルが販売されています。

ジョジョ・メイヤーは、その革新的なプレイスタイルと音楽性で、現代のドラム界に多大な影響を与え続けています。彼の飽くなき探求心と創造性は、これからも多くのドラマーに刺激を与え、新たな音楽の可能性を切り開いていくことでしょう。

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