ジョゼフ・ロケーニュ

ジョゼフ・ロケーニュ（Joseph Laucaigne、1838年5月13日 - 1885年1月15日）は、フランスのタルブ・ルルド司教区ガルデール出身の、パリ外国宣教会に所属する宣教師です。第二代日本南緯代牧区長を務め、日本のカトリック教会に大きく貢献しました。

生涯

1838年、ロケーニュはフランスのガルデールで生まれました。ガルデールはルルドの隣村であり、ロケーニュはルルドでの聖母マリア出現を日本人に初めて伝えた人物として知られています。

サン・ペ・ド・ビゴルの中学校を卒業後、タルゴの大神学校に進学。1859年にパリ外国宣教会に入会し、1862年5月に司祭に叙階されました。同年、ジラール神父から日本の宣教師に選ばれ、出発前にジラールとともにローマ巡礼を行い、教皇ピオ9世の祝福を受けました。

1863年（文久3年）に香港を経て上海に渡り、同年9月に横浜に上陸。1864年（元治元年）11月には長崎へ赴き、プティジャン神父のもとで活動を開始しました。1865年（元治2年）2月19日の大浦天主堂献堂式に立ち会い、同年3月17日の信者発見にも立ち会いました。以後、プティジャンとともにキリシタンの対応にあたり、浦上の秘密聖堂で数回ミサを行いました。

1867年（慶応3年）1月4日以降は、プティジャンの命により毎日浦上を巡回し、日曜日のみ大浦天主堂に戻る生活を送りました。1866年（慶応2年）にプティジャンが日本代牧として欧州へ行った際、ロケーニュは副代牧として日本に留まりました。しかし、1867年（慶応3年）7月に迫害が開始されたため、谷底の森に潜伏しました。

1870年（明治3年）には、小神学生13人とともに広東へ渡航。脳炎に罹患し一時聴覚及び記憶を失いましたが、次第に回復し1871年（明治4年）に長崎へ帰りました。大浦天主堂で密かに信者に秘跡を授け、教理を教え、1873年（明治6年）4月からはキリシタン禁制撤去とともに帰郷した浦上キリシタンの司牧に尽力しました。過労のため香港の外国宣教会療養所で11ヶ月間静養しました。

1873年（明治6年）10月3日に補佐司教に任命され、1874年（明治7年）に長崎にて補佐司教に叙階されました。1876年（明治9年）に大阪に定住し、1884年（明治17年）にはプティジャンの臨終に立ち会いました。帰阪後、熱病に罹患し丹毒を発症。1885年（明治18年）1月15日に死去しました。

ロケーニュは、激動の時代における日本のカトリック教会の発展に大きく貢献した人物として、その功績は記憶されています。

関連人物

ルルド: ロケーニュの出身地に近い、聖母マリア出現の地として知られる。
ベルナデッタ・スビルー: ルルドで聖母マリアの出現を目撃した少女。

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