ジョナサン・ボロフスキー

ジョナサン・ボロフスキー（1942年生まれ）は、アメリカを代表する現代美術家の一人です。彼の作品は、コンセプチュアル・アートの初期段階から、ミニマル・アート、ランド・アート、そしてポップ・アートの要素を融合させた、独自のアプローチへと発展を遂げました。

ボストンで生まれたボロフスキーは、カーネギーメロン大学で美術を学んだ後、フランスのフォンテーヌブロー美術学校でさらに研鑽を積みました。1960年代の文化的な変革期に大きな影響を受け、その後の彼の作風を特徴づける、反復と無限、そして日常的な行為を芸術へと昇華させる試みが現れます。その最も顕著な例が「1から無限へのカウンティング」であり、これは彼が毎日数字を書き続けるという行為そのものを作品としたものです。この作品は、概念的な芸術の可能性を追求する彼の姿勢を明確に示しています。

1972年以降、ボロフスキーの関心は、より空間的な表現へと移行します。彼は巨大な空間を自由に使い、彫刻作品の制作を始めました。特に有名な作品として「歩く人Walking Man (1995)」や「空へ向かって歩くWalking to the Sky (2006)」が挙げられます。これらの作品は、人間の動作を象徴的に捉え、巨大なスケールで表現することで、見る者に強烈な印象を与えます。彼の彫刻作品は、まるでコンピューターゲームのワンシーンを切り取ったかのような、独特の色彩とフォルムを持ち、その巨大なサイズとボリュームは、彼のコンセプチュアル・アート時代から変わらない、極大や無限への執着を反映しています。

ボロフスキーは、コンセプチュアル・アートの重要な貢献者であり、その作品は多くの教科書で引用され、国際的にも高い評価を受けています。彼の作品は、アメリカ国内のみならず、世界中の美術館やギャラリーで展示され、観客を魅了し続けています。

展示歴
2004年 - ロックフェラー・センター、ニューヨーク
2002年 - サンドレット・レ・レバウデンゴ財団、クネオ、イタリア
1999年 - 「男と女」霧島アートの森
1999年 - クンストミュージアム・バーゼル、レンバ・ギャラリー、ロサンゼルス
1996年 - ホイットニー美術館、ニューヨーク
1992年 - ドクメンタ9、カッセル
1987年 - ドクメンタ8、カッセル
1985年 - バークレー美術館、バークレー、カリフォルニア
1984年 - シュテーデル、フランクフルト
1982年 - ドクメンタ7、カッセル
1981年 - コンテンポラリー・アーツ・ミュージアム、ヒューストン、テキサス

参考文献
別冊宝島71 現代美術・入門

外部リンク
公式サイト

関連項目
Molecule Man (sculpture)
Hammering Man

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