ジョニー・アリディ

ジョニー・アリディ：フランスが生んだ伝説のロックスター

ジョニー・アリディ（Johnny Hallyday）は、フランスを代表する歌手、俳優です。1943年にパリで生まれ、2017年に74歳で亡くなるまで、フランスの音楽界に多大な影響を与え続けました。

生い立ちとデビュー

本名はジャン＝フィリップ・スメット（Jean-Philippe Smet）。ベルギー人の父親とフランス人の母親の間に生まれたとされています。幼少期は叔母に育てられ、17歳で歌手デビュー。初期の頃は、エルビス・プレスリーなどアメリカン・ロックのカバー曲を中心に歌っていました。

フランスNo.1ロッカーへ

1960年代以降、ジョニー・アリディはフランス国内で圧倒的な人気を誇るロックスターとしての地位を確立します。ヴィブラートの効いたパワフルなボーカルと、観客を熱狂させるライブパフォーマンスが特徴で、スタジアムを埋め尽くす大観衆を魅了し続けました。代表曲には、1969年の「Que Je t'aime」などがあります。

国民的スターゆえの苦悩

国民的歌手であるがゆえに、ジョニー・アリディの私生活は常にマスコミの注目を集めました。トップスター同士であったシルヴィ・ヴァルタンとの結婚と離婚は、フランス国民にとって大きな関心事でした。1965年に結婚、1966年には息子ダヴィド・アリディが誕生しますが、1980年に離婚。その後も、数々の恋愛や結婚を経験しています。

音楽活動の変遷

1970年代には、パレ・デ・スポールなどの大規模会場で公演を行い、その後もゼニットやベルシー・アレナなどでコンサートを開催。1980年代半ばからは、ミシェル・ベルジェやジャン＝ジャック・ゴールドマンといった人気シンガーソングライターとのコラボレーションも行い、常に新しい音楽性を追求しました。

1999年には、息子ダヴィド・アリディが全曲を手掛けたアルバム『Sang pour sang』が、大ヒットを記録。2009年には、66歳を祝う66回公演ツアーを行い、その模様はフランスのテレビで大きく報道されました。一時は引退宣言をするも、後に撤回し、2012年にはメガ・コンサートで復帰するなど、常に話題を提供し続けました。

日本との関わり

日本での公演は1973年1月に行われた一度きりです。1978年には、第7回東京音楽祭で審査員を務めました。日本では、シルヴィ・ヴァルタンの元夫として知られることが多く、フランス語圏外での評価は必ずしも高くありません。

その他の活動

音楽活動以外にも、俳優として映画や舞台に出演するなど、幅広い分野で活躍しました。また、自動車好きとしても知られ、ラリー・モンテカルロやダカール・ラリーに参戦したこともあります。

晩年と死

2009年に大腸癌と診断され手術を受け、その後も闘病生活を送っていましたが、2017年12月5日に肺癌のため死去。彼の死はフランス全土で悼まれ、国葬レベルの葬儀には数十万人のファンが参列しました。

ジョニー・アリディは、フランスの音楽史に燦然と輝く、まさに伝説的な存在です。彼の音楽は、世代を超えて多くの人々に愛され続けています。

もう一度検索