ジョニー・ケース

アメリカ合衆国アイオワ州ジェファーソン出身の総合格闘家、プロボクサー。ジョニー・ケース（Johnny Case）は、1989年6月28日生まれ。4歳からレスリングを始め、中学生の頃に日本の総合格闘技イベント「PRIDE」を観戦したことが、プロ格闘家への道を志す契機となった。2007年、18歳でプロ総合格闘技デビューを果たす。

キャリアを積み重ね、世界最高峰の舞台であるUFCへと参戦。2014年9月20日、UFC初戦で徳留一樹からギロチンチョークで一本を奪い、「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」を受賞する鮮烈なデビューを飾った。その後もフランキー・ペレスにTKO、ヤン・カブラルに判定で勝利し、UFCで4連勝、自身の連勝記録も12まで伸ばす快進撃を見せる。しかし、2016年3月20日、ジェイク・マシューズにリアネイキドチョークで一本負けを喫し連勝はストップ。この試合は「ファイト・オブ・ザ・ナイト」に選ばれた。

UFCでの活躍を経て、日本のリングRIZINを主戦場とする。2018年12月31日、「RIZIN.14」で矢地祐介からドクターストップによるTKO勝利を収め、RIZINデビューを白星で飾った。2019年には北岡悟、ライト級トーナメント1回戦でホベルト・サトシ・ソウザからいずれもTKO勝利を収め、RIZINで3連勝をマーク。しかし、同年12月31日のトーナメント準決勝でトフィック・ムサエフにTKOで敗れ、決勝進出はならなかった。

RIZINへの情熱を持ち続ける一方、キャリアにはいくつかの困難もあった。2021年にはプライベートでのトラブルが原因でPFLトーナメントを欠場（後に不起訴）。また、新型コロナウイルスによる入国制限の影響で、RIZIN出場が困難となった期間、プロボクシングに挑戦。2021年7月にプロボクシングデビューを果たし、ライトヘビー級でKO勝利を重ね、3連続KO勝利を記録するなどボクサーとしても才能を示した。しかし、同時期にRIZINでのサトシ・ソウザとの再戦が決定するも、再び入国制限強化により出場断念を余儀なくされた。

2022年4月17日、「RIZIN.35」で約2年4ヶ月ぶりに総合格闘技へ復帰。RIZINライト級王者となっていたホベルト・サトシ・ソウザと再戦するも、1ラウンドに一本負けを喫し雪辱ならず。同年7月31日の「RIZIN.37」では武田光司に判定で敗れ、対日本人初黒星と共にRIZIN3連敗となった。苦境の中、2022年12月31日、「RIZIN.40」で大尊伸光から1ラウンドTKO勝利を収め、約3年ぶりの白星で連敗をストップ。この勝利に感極まり、試合後リング上で涙を見せた。

その後、練習中の重傷（膝の複数箇所断裂など、全治6ヶ月）により、2023年4月のRIZIN出場を欠場。約9ヶ月間の本格的な練習中断を強いられた。怪我から復帰し、2024年6月9日の「RIZIN.47」で“ブラックパンサー”ベイノアと対戦したが、判定負け。この試合では前日計量での契約体重超過（1kgオーバー）によりレッドカード（50%減点）のペナルティを受け、特別ルールが適用されていた。さらに2025年5月31日の大原樹理戦でも計量超過（330gオーバー）によりイエローカード（20%減点）を受け、1ラウンドKO勝利を収めたものの特別ルールにより無効試合となるなど、近年は計量トラブルも発生している。

ジョニー・ケースは、日本のRIZINに対して並々ならぬ愛情を抱いており、「残りのキャリアはRIZINで戦って終える」と公言。今後も日本を主戦場とし、RIZINで現役を引退する意向を示している。また、RIZINで激闘を繰り広げたライバル、ホベルト・サトシ・ソウザが2022年末の試合を控える際には、練習パートナーとして約2ヶ月間日本に滞在し、サトシ選手のトレーニングを献身的にサポート。そのスポーツマンシップあふれる姿勢は多くのファンや関係者から称賛された。

獲得タイトルには、MCCライト級王座がある。また、UFCでパフォーマンス・オブ・ザ・ナイト、ファイト・オブ・ザ・ナイトをそれぞれ1回受賞している。ブラジリアン柔術紫帯の実力も持つ。キャリアを通じて怪我や計量問題などの試練も経験しているが、RIZINへの深い絆と、アグレッシブで観客を熱狂させるファイトスタイルで、日本の格闘技界において欠かせない存在となっている。

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