ジョニー・スミス (ジャズ・ギタリスト)

ジョン・ヘンリー・スミス2世: アメリカのジャズギタリスト

ジョン・ヘンリー・スミス2世（John Henry Smith II）は、アメリカ合衆国のジャズシーンで重要な役割を果たしたギタリストです。彼は1922年6月25日に生まれ、2013年6月11日にその生涯を閉じました。スミスは、クール・ジャズやメインストリーム・ジャズのスタイルで知られ、特に1954年に作曲した「急がば廻れ（Walk, Don't Run）」は、彼の名を高める作品として記憶されています。また、1984年にはアラバマ・ジャズの殿堂に迎え入れられ、その業績が評価されました。

生い立ちと音楽の始まり

スミスはアメリカの南部、アラバマ州バーミングハムで家族と共に過ごしましたが、世界恐慌の影響で家族はメイン州ポートランドへ移住しました。音楽への興味は早くから芽生え、彼は地元の質屋でギターを弾きながら独学で演奏技術を身につけました。特に13歳の頃には他人にギターを教えるまでになり、そこで初めて自分のギターを持つことになります。

当初は地元のヒルビリー・バンドで活動し、日に4ドルを稼ぎながら音楽に専念しましたが、若い彼がジャズに魅了されるようになると、カントリー音楽からジャズにシフトしていきました。18歳で「ザ・マウンテン・ボーイズ」を離れ、次に「エアポート・ボーイズ」というバラエティ・トリオに参加しました。

兵役と軍楽隊

スミスはパイロットになることを志し、アメリカ陸軍航空隊に入隊します。しかし、彼の視覚的な問題により飛行訓練を受けられず、選択肢として軍楽隊への参加が求められました。彼はコルネットを練習し、短期間で技術を習得。難しい状況下でもあきらめず、努力を続けたことがその後の音楽キャリアの基盤となりました。

ミュージシャンとしての成功

スミスは多才なギタリストとして認識され、1946年から1951年はNBCでスタジオ・ギタリスト、編曲者として活動しました。彼のスタイルは独特で、クローズポジション・コードのヴォイシングと、全音階を基にしたスピーディなジャンゴ・ラインハルトの手法が特徴です。1952年に録音した「Moonlight in Vermont」は、ダウン・ビート誌のレコード・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、彼の代表曲の一つとして知られています。

また、1954年に作曲した「急がば廻れ」は、他のアーティストにより数多くカバーされ、そのメロディは後の世代に多大な影響を与えました。ギタリストのチェット・アトキンスがこの曲をカバーし、そのスタイルは後にザ・ベンチャーズがヒットさせる基盤となります。

プライベートと後半生

私生活では1957年に妻を失い、小さな娘を育てるため多忙な演奏活動を止め、コロラド州に移住しました。音楽店舗を経営しながら、娘を育て音楽教育にも力を入れました。時折コロラドのナイトクラブで演奏し、その後のキャリアは彼の家庭を優先する方向へとシフトしました。

ジョン・ヘンリー・スミス2世は、常に新しい挑戦を求め、人生の多くの場面で音楽への情熱を失うことなく、周囲の人々に影響を与え続けました。彼の功績や作品は、今も多くのミュージシャンにインスピレーションを与え続けています。

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