クール・ジャズ

クール・ジャズ

クール・ジャズは、1940年代後半にビバップの反動として生まれたジャズのジャンルです。その特徴は、リラックスした軽いサウンドにあります。

歴史

スウィング・ジャズの衰退後、ビバップが隆盛を迎えました。ビバップは、複雑なアドリブ演奏と自由奔放なスタイルを特徴としていましたが、クール・ジャズは、その反動として、演奏や楽曲展開に抑制を効かせたスタイルを打ち出しました。音楽評論家の中には、ニューオーリンズ・ジャズやディキシーランド・ジャズの後にスウィング・ジャズが生まれた経緯と、ビバップの後にクール・ジャズが登場した音楽的な反作用に類似性を見出す人もいます。

クール・ジャズは、ビバップに比べてテクニックの誇示を抑え、リズムも穏やかで、クールな印象を与えます。アンサンブル・サウンドや楽器編成、音楽構成が重視される点も特徴です。

ビバップが黒人ジャズであるのに対し、クール・ジャズは白人による白人のためのジャズであると言われることもあります。しかし、クール・ジャズの創始者の一人とされるマイルス・デイヴィスのアルバム『クールの誕生 (Birth of the Cool)』が、その起源とされています。常に音楽的な進化を追求した彼は、人種的多様性を受け入れる姿勢を示していました。

クール・ジャズの代表的なアーティスト

レニー・トリスターノ (1919年-1978年)
リー・コニッツ (1927年-2020年)
スタン・ゲッツ (1927年-1991年)
ジョージ・シアリング (1919年-2011年)
ジェリー・マリガン (1927年-1996年)
スタン・ケントン (1911年-1979年)
ウディ・ハーマン
マイルス・デイヴィス
ギル・エヴァンス (1912年-1988年)

参考文献

細川周平、後藤雅洋、村井康司、寺島靖国、小川隆夫、加藤総夫、柳沢てつや、北里義之、大村幸則、瀧口秀之、西島多恵子、山下泰司、黒田京子、桜井圭介、上野俊哉、米田栄、田辺秀樹、高橋順一、川竹英克、田村和紀夫、大宅緒、高見一樹、島原裕司、柴俊一『新版 ジャズを放つ』洋泉社、1997年、22頁。ISBN 4896912500。
フランク・ティロー『ジャズの歴史 その誕生からフリー・ジャズまで』音楽之友社、1993年、313-318頁。ISBN 4276232511。

関連項目

ウエストコースト・ジャズ

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