ジョニー・ムルタ

ジョニー・ムルタ: 騎手から調教師へ

ジョニー・ムルタ（Johnny Murtagh）は1970年5月14日にアイルランドで生まれ、元騎手として広く知られています。彼の父であるジョン・ムルタもまた騎手であり、家族に根付いた競馬の伝統が彼のルーツとなっています。ジョニーは特に香港での活動において「モク・ディ」として漢字表記されることもあります。

騎手としてのキャリア

ムルタはキルダーレにある騎手養成学校を卒業後、1989年にジョン・オックス厩舎で見習い騎手としてのキャリアを開始。デビューの年にはアイルランドの最優秀見習い騎手の称号を受賞しました。約2年後の1992年、彼は日本で開催された第1回ヤングジョッキーズワールドチャンピオンシップに参加し、注目の存在となりました。初戦では重量オーバーのため騎乗できなかったものの、後のセレブレイションカップで優勝し、最終的に総合3位に輝きました。この大会では、後に名騎手として名を馳せるランフランコ・デットーリが優勝しています。

ムルタは1995年及び1996年にはアイルランドのリーディングジョッキーに選ばれるなど、その実力を証明していきました。1999年には日本中央競馬会（JRA）の短期免許を取得し、95戦で4勝を記録。特に2000年にはシンダーに騎乗し、英国の最高峰競走であるダービーステークスや凱旋門賞を制覇。その名声はさらに高まりました。

調教師業への転身

生涯にわたり多くの重要なレースで成功を収めたムルタですが、2011年にはワールドスーパージョッキーズシリーズでの出場を経て、2013年に調教師免許を取得し、騎手と並行して活動し始めました。さらに、2014年に騎手としての活動を引退し、調教師に専念することに決めました。この選択により、彼は新たなキャリアをスタートさせました。

主な騎乗馬

ムルタの騎乗馬には数々の名馬が存在し、そのすべてが卓越した成績を残しました。中でもシンダーは、1999年のナショナルステークスや2000年のエプソムダービー、アイリッシュダービー、さらには凱旋門賞において大きな勝利を収めました。また、ペトルーシュカやロックオブジブラルタルなども彼の手により多くのタイトルを獲得しています。

特に目を引くのは、デュークオブマーマレードです。彼は2008年にガネー賞やタタソールズゴールドカップ、キングジョージ6世＆クイーンエリザベスステークスといった多くの大レースで優勝し、その名声を確立しました。さらに、イェーツやフェイムアンドグローリーなどの馬も彼の指導のもとで活躍し続けています。

現在の活動

調教師としてのムルタは、過去の輝かしい騎手時代の経験を活かし、若手騎手の育成にも力を入れています。競馬業界における彼の存在は、今なお多くの人々に影響を与え、敬愛されています。ジョニー・ムルタという名は、引き続き競馬界で語り継がれていくことでしょう。

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