シンダー

シンダー：三冠を制した伝説的名馬

シンダーは、アイルランドを代表する競走馬として、2000年の競馬史にその名を刻みました。イラクの山岳地帯を思わせる力強い名前を持つ彼は、日本でシンダールという表記も用いられていました。

華麗なる現役時代

2歳時にはデビュー戦を圧勝で飾り、続くナショナルステークスでもG1初勝利を収めるなど、早くからその才能の片鱗を覗かせました。
3歳になると、ダービートライアルステークスを制し、エプソムダービーへと駒を進めます。4番人気と決して高い評価を得ていたわけではなかったものの、レースでは後の凱旋門賞馬サキーを差し切り、見事優勝を飾りました。続くアイリッシュダービーでは9馬身差という圧倒的な強さで勝利し、その実力を証明しました。
秋には、ニエル賞を8馬身差で制し、凱旋門賞へと挑みます。このレースでは、前年の覇者モンジューや、ディアヌ賞（仏オークス）優勝馬エジプトバンド、ヴェルメイユ賞優勝馬ヴォルヴォレッタといった強豪を相手に、英愛ダービー馬として史上初めて凱旋門賞制覇という偉業を達成しました。この勝利を最後に現役を引退、種牡馬としての道を歩むことになります。同年のカルティエ賞最優秀3歳牡馬にも選出され、その年の活躍を称えられました。

種牡馬としての成功

引退後は、馬主であるアーガー・ハーン4世の所有するギルタウンスタッド（アイルランド）、その後はボネヴァル牧場（フランス）で種牡馬として活躍しました。数々の優秀な競走馬を輩出し、その血統は現代競馬においても重要な役割を担っています。2018年にその生涯を終えるまで、多くのサラブレッドの父として、競馬界に大きな貢献を果たしました。

主な産駒

シンダーは、数々のG1競走馬を輩出しました。中でも有名なのは、アイリッシュオークスとヴェルメイユ賞を制したシャワンダ、そしてサンクルー大賞やオイロパ賞を制し、凱旋門賞でも2着を3回記録したユームザインです。また、ロサナラ（マルセルブサック賞、ディアヌ賞2着）、シャレータ（ヨークシャーオークス、ヴェルメイユ賞、凱旋門賞2着）なども、シンダーの産駒として名を馳せました。さらに、ブルードメアサイアー（母方の父）としても、トレーディングレザー（アイリッシュダービー）、エンケ（セントレジャーステークス）といった活躍馬を輩出しています。

圧巻のレーススタイル

シンダーのレーススタイルは、そのスピードとスタミナを駆使した、先行逃げ切りが特徴でした。良馬場でのハイペースのレースを得意とし、常に先頭に立ち、そのまま押し切る力強い走りで多くのファンを魅了しました。

シンダーの足跡

シンダーは、競走馬としての輝かしい戦績だけでなく、種牡馬としても大きな成功を収め、現代競馬に多大な影響を与えた名馬と言えるでしょう。その卓越した能力と個性的なレーススタイルは、多くの競馬ファンに長く記憶されるでしょう。彼の血統は、これからも競馬界でその存在感を示し続けることでしょう。 彼の競走成績は、netkeiba、JBISサーチ、Racing Postなどのサイトで確認できます。

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