ジョルジュ・レイグ (軽巡洋艦)

ジョルジュ・レイグ (軽巡洋艦)

ジョルジュ・レイグは、フランス海軍のラ・ガリソニエール級軽巡洋艦の一隻です。フランスの海相であったジョルジュ・レイグに敬意を表して命名されました。

艦歴

1933年9月21日、ジョルジュ・レイグはA C de la ロワール・ペノエ社サン＝ナゼール造船所にて起工されました。1936年3月24日に進水し、1937年11月15日に竣工しました。就役後、ブレストに司令部を置く大西洋艦隊に配属され、1939年にはカサブランカ方面の哨戒任務に就きました。

フランス降伏後の1940年4月、メルセルケビル港に移動し、ヴィシー政権下でフランス領北アフリカのアルジェ港に留まりました。メルセルケビル海戦後、トゥーロンへ移動。1940年9月9日、ヴィシー政権は植民地維持のため、本艦の姉妹艦である「モンカルム」と「グロワール」、そして大型駆逐艦「ル・マラン」「ル・ファンタスク」「ローダシュー」をトゥーロンから出撃させました。この艦隊は9月11日にジブラルタル海峡を通過し、9月12日にカサブランカに到着しました。9月18日、3隻の巡洋艦はダカールからガボンへ向かいましたが、オーストラリア海軍の重巡洋艦「オーストラリア」とイギリス海軍の重巡洋艦「カンバーランド」に発見され、リーブルヴィル沖で追跡を受けました。戦闘の結果、本艦は「オーストラリア」を退けましたが、機関故障で僚艦から離れた「グロワール」は「オーストラリア」に捕捉され、カサブランカへ送られました。本艦と「モンカルム」はダカールへ帰還しました。（ダカール沖海戦参照）

1941年8月、本艦はフランス本国からカサブランカへの金塊輸送任務に従事しました。1942年のトーチ作戦後、北アフリカ行政の最高責任者であったダルラン元帥が連合軍への停戦を受諾したことで、本艦は連合軍側に所属することになりました。1943年4月からは自由フランス海軍の艦艇として再就役し、ダカールを母港として大西洋方面の哨戒任務に就きました。

1943年4月13日未明、「ジョルジュ・レイグ」は敵と思われる船を発見し、90mm砲を発射しました。その船はドイツの封鎖突破船「Portland」であり、自沈しました。

1943年7月から11月にかけて、アメリカのフィラデルフィアで近代化改装を受け、艦橋背後に四脚マストが新設され、各種レーダーと対空機関砲が更新されました。1944年1月まで南大西洋で任務に就き、同年2月には連合軍のイタリア侵攻を支援するため、コルシカ島への軍隊輸送船団を護衛。その後、ノルマンディー上陸作戦や南フランス上陸作戦を支援しました。1945年には、イタリアのジェノヴァへの艦砲射撃を実施。その後、カサブランカで1946年1月まで整備に入り、第一次インドシナ戦争時には艦砲射撃に参加しました。

1959年に除籍され、同年11月に解体処分となりました。

脚注

参考文献

John Jordan, Jean Moulin, French Cruisers 1922-1956, Seaforth Publishing, 2013, ISBN 978-1-84832-133-5
Martin Brice, Axis Blockade Runners of World War II, B. T. Bastsford, 1981, ISBN 0-7134-2686-1

参考図書

「世界の艦船 増刊第50集 フランス巡洋艦史」（海人社）
「世界の艦船 1986年1月増刊号 近代巡洋艦史」（海人社）
「世界の艦船 2010年1月増刊号 近代巡洋艦史」（海人社）
「Conway All The World's Fightingships 1860-1905」（Conway）
「Conway All The World's Fightingships 1906-1922」（Conway）

関連項目

フランス海軍艦艇一覧
ジョルジュ・レイグ級駆逐艦

外部リンク

'Georges Leygues' (1933) 本艦のスペックと艦形図があるページ。
* Photos Croiseur Georges Leygues 本艦の写真があるページ。近代化改装後の写真が見られる。

もう一度検索