ジョングレイ州

ジョングレイ州の概要

ジョングレイ州（英: Jonglei）は、南スーダン共和国に属する州であり、その州都はボルです。この州は、南スーダン独立以前のスーダン時代からの歴史を持ち、独立後も消滅することなく存在しています。ジョングレイ州は1994年の設立以来、面積や人口において変動を経験しましたが、特に独立以降の状況が注目されています。

歴史的背景

1. 設立と独立

ジョングレイ州は1994年2月14日に設立され、当初は11郡を持つ広大な州でした。この州は、南スーダンの州の中で最大の面積を誇ります。2011年7月9日に南スーダンがスーダンから独立する際、ジョングレイ州もその一部として新たな国家に組み込まれました。

2. 民族間の対立

ジョングレイ州には、主にディンカ族、ヌエル族、ムルレ族の3つの主要な民族が住んでいます。これらの民族間での対立は、特に家畜、特にウシを巡る争いから発生しています。2011年末から2012年初頭にかけては、ロウ・ヌエル族とムルレ族の間で大規模な衝突が発生し、死者が3,000人を超え、多くの人々が避難する事態となりました。これに対抗する形で、2014年には和平協定が結ばれ、改善に向かう動きも見受けられました。

3. 2013年のクーデター未遂

2013年12月14日、ジュバで発生したクーデター未遂事件は、ジョングレイ州にも波及しました。この事件を契機に、州内ではディンカ族とヌエル族の間での激しい武力衝突が発生し、国際連合の平和維持軍も襲撃を受けるなど、深刻な事態が続きました。

行政区分

2020年にはジョングレイ州の行政区分が見直され、9つの郡が存在します。この中には、トゥイック・イースト郡、デュック郡、ボル郡などが含まれています。これらの郡の間でも歴史的な背景や民族間対立が影響を及ぼしています。以前存在していたピボール郡とポチャッラ郡は、別の行政区へと移動し、現在はその影響が続いています。

主要都市と交通

ジョングレイ州の主要な都市であるボルは、南スーダンの中でも重要な地域です。発電所があり、地域への電力供給を行っています。また、ボルへのアクセスは空路と陸路の2つの方法があります。特に雨季には道が悪化するため、陸路のアクセスが困難になることがあります。

住民と文化

この州には、多様な民族が共存しており、各族の言語や文化が色濃く残っています。言語的には、ディンカ語やヌエル語、ムルレ語が話され、宗教はキリスト教やクウォスが主となっています。地域には多くのNGOや国連機関が活動しており、特にピースウィンズジャパンやケアインターナショナルジャパンが現地で積極的に支援を行っています。ジョングレイ州は、南スーダンの中で国際的な注目が集まる地域でもあります。

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