ジョン・アンドレッティ

ジョン・アンドリュー・アンドレッティ：レーシングドライバーとしての生涯

ジョン・アンドリュー・アンドレッティ（1963年 3月12日-2020年 1月30日）は、アメリカ合衆国の著名なレーシングドライバーです。名門アンドレッティ一族に生まれ、父アルド、弟アダム、そして叔父マリオ・アンドレッティら、数々のレーサーに囲まれた環境で育ちました。いとこにはインディカーチャンピオンのマイケル・アンドレッティとジェフ・アンドレッティがいます。彼のキャリアは、幼少期のカートから始まり、ジュニアストックカー、USACミジェットを経て、本格的なモータースポーツの世界へと進んでいきました。モラヴィアン大学で経営学の学位を取得しており、レーサーとしての道を歩まなかったら、投資銀行家か株式仲買人になっていたと語っています。

華々しいキャリアの始まり：スポーツカーレースとCART

1984年、アンドレッティはスポーツカーレースでキャリアをスタートさせます。1986年にはIMSA GTP選手権にBMWノースアメリカチームからフル参戦し、デイビー・ジョーンズとのペアでワトキンス・グレンで優勝を飾るなど、早くも才能を証明しました。翌年にはPPGインディカーワールドシリーズ（後のCART）に参戦し、ルーキーオブザイヤーを受賞。1988年のル・マン24時間レースでは、マリオ、マイケルら一族と共にポルシェワークスチームから参戦し、総合6位という好成績を残しました。CARTでは、1991年にオーストラリア・サーファーズパラダイスでのゴールドコーストグランプリでキャリア唯一の勝利を挙げ、インディアナポリス500では5位という自身最高の成績を残しています。

IMSA GTPとロレックススポーツカーシリーズでの活躍

IMSA GT選手権では、1986年にデイビー・ジョーンズと共にBMW・GTPをドライブ。BMWのIMSAでの成功は限定的でしたが、アンドレッティとジョーンズはワトキンス・グレン・インターナショナルでのレースで優勝を収めました。1989年のデイトナ24時間レースでは、ボブ・ウォレク、デレック・ベルと共に総合優勝。この勝利は、BFグッドリッチにとっても初となる総合優勝でした。その後もIMSAで活躍し、ウェストパームビーチ・ストリートコースで優勝するなど、高いパフォーマンスを維持しました。2001年にはグランダム・シリーズでカイル・ペティーとのペアでワトキンスグレンでGTクラス優勝、2008年にはデイトナ24時間レースに復帰するなど、長年に渡ってスポーツカーレースにも参戦し続けました。

NASCARでの挑戦と栄光：インディ/シャーロットダブルへの挑戦

1993年にNASCARウィンストンカップシリーズにデビューしたアンドレッティは、1994年から本格参戦を開始します。同年5月29日には、同じ日に開催されたインディアナポリス500とコカ・コーラ600に両方出場した史上初のドライバーとなりました。これは、後に「インディ/シャーロットダブル」として知られることになります。その後、様々なチームを渡り歩きながら活躍。1997年にはペプシ400でキャリア初優勝を、1999年にはマーティンズビル・スピードウェイで残り4ラップからの逆転劇で2勝目を飾るなど、NASCARでも大きな成功を収めました。最高位はランキング11位です。2000年から2005年にかけては、スポンサー獲得の難しさやチームの体制変化などに直面しながらも、NASCARに参戦し続けました。2006年にはブッシュシリーズに参戦し、ルーキーオブザイヤー候補にもなりました。2007年以降は、NASCARとインディカーシリーズを並行して参戦し、スポット参戦を繰り返しながらも2010年のデイトナ500を最後にNASCARから引退しました。

インディカーシリーズへの回帰と晩年

1994年の「インディ/シャーロットダブル」以来となる2007年にインディ500に復帰。その後も2008年、2009年、2010年、2011年とインディ500に参戦し続けました。2008年にはロスレーシングから参戦し、アイオワ・スピードウェイでチーム最高位となる11位を獲得するなど、結果を残しました。2009年には、リチャード・ペティとの共同事業により、インディ500に参戦。2010年以降もインディ500に参戦を続け、2011年の100周年記念レースにも出場しました。

私生活と闘病生活

アンドレッティは、地元コミュニティ活動にも積極的に参加し、チャリティイベントなどを開催していました。2007年からは、シリウスサテライトラジオのNASCARチャンネルで共同司会者も務めるなど、モータースポーツ界以外でも活躍しました。息子であるジャレットもレーシングドライバーとして活躍しています。2017年4月、ステージ4の大腸がんを公表。闘病生活を公にして、大腸内視鏡検査の受診を呼びかけました。治療により一旦は寛解しましたが、その後再発し、2020年 1月30日、56歳で亡くなりました。

まとめ

ジョン・アンドリュー・アンドレッティは、才能あふれるレーシングドライバーとして、そして、がんとの闘いを公表し多くのファンに勇気を与えた人物として、モータースポーツの歴史にその名を刻みました。彼の波瀾万丈な人生は、多くのファンに感動と記憶を残し続けるでしょう。

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