ジョン・コンロイ (初代准男爵)

サー・ジョン・ポンソンビー・コンロイの生涯

サー・ジョン・ポンソンビー・コンロイ（Sir John Ponsonby Conroy, 1st Baronet）は、1786年10月21日にウェールズのカーナーヴォンシャーで誕生しました。彼の父、ジョン・ポンソンビー・コンロイは法廷弁護士であり、母のマーガレットはウィルソン家の出身です。コンロイ家はアイルランドのオメオルコネリー家にその起源を持つと言われています。

軍人としての経歴

コンロイは、1803年に王立砲兵隊に少尉として入隊し、すぐに中尉に昇進しました。1811年には大尉に昇格し、1817年には大砲輸送軍団の軍団長副官を務め、1822年に退役します。この軍歴は彼の後の人生に重要な影響を与えることになります。

ケント公爵家との関与

1818年、彼はケント公エドワードに仕えることになり、ケント公妃ヴィクトリア（後のヴィクトリア女王）の侍従武官としても活躍しました。ヴィクトリアの教育方針や日常生活にも深く関与し、その影響力を強めました。特にケント公妃が彼に依存する姿は周囲の噂を呼び、愛人関係にあるとも囁かれることもありました。

1837年にヴィクトリアが女王に即位した際、コンロイは準男爵位を授与されましたが、新しい女王は彼との関係を断ちたがっていました。女王が即位後に自らの宮殿を持ち、母とコンロイの介入を排除する決断を下すと、コンロイは次第に立場が危うくなります。

十分な報酬と疎外

彼との関係を断とうとする女王や首相メルバーンによる試みもありましたが、コンロイは公妃の財産管理に携わり、彼女からの年金を受け取り続けました。多くの政治的ゲームの中で、彼は公妃の寵愛に守られている状態が続きました。

しかし、彼の存在は王室内で次第に疎外され、正規の場に招かれることはなくなり、女王から筋金入りの信頼を受けることもなくなりました。

家族と晩年

彼は1808年にエリザベス・フィッシャーと結婚し、4人の息子と2人の娘を儲けました。その後、1854年3月2日に亡くなり、息子が準男爵位を継承しました。

唯一無二の存在であったコンロイは、ヴィクトリア女王の若き日を支える重要人物であり、その影響力を通じて王室内の権力構造にも大きな影響を及ぼしていたことがわかります。彼の死後も、その影響は後世にわたって語られることとなるでしょう。

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