ジョン・サリー:NBAの異端児、3チームで優勝を飾った男
ジョン・トーマス・サリー(John Thomas Salley)は、
1964年5月16日生まれ。
NBAの元
バスケットボール選手であり、唯一無二のキャリアを築き上げました。彼は、
デトロイト・ピストンズ、
シカゴ・ブルズ、
ロサンゼルス・レイカーズという異なる3つのチームで
NBAチャンピオンリングを獲得した初の選手として、その名を歴史に刻んでいます。
プロ入り前
ニューヨーク市ブルックリンで生まれ育ったサリーは、地元の高校を卒業後、
ジョージア工科大学に進学。大学では、卓越したブロックショットの能力を発揮し、大学記録を塗り替えました。彼の功績を称え、背番号22は
ジョージア工科大学の永久欠番となっています。
プロ入り後
1986年の
NBAドラフトで、サリーは
デトロイト・ピストンズから1巡目(全体11位)で指名を受け、プロのキャリアをスタートさせました。ピストンズでは、悪童集団「
バッド・ボーイズ」の一員として、チームの2連覇(1989年、1990年)に大きく貢献。当時のピストンズは、ラフプレーも厭わないダーティーなイメージがありましたが、サリーは
エイドリアン・ダントリーを師と仰ぎ、コート外での紳士的な振る舞いを学ぶなど、他のメンバーとは一線を画す存在でした。
1992年、サリーはトレードで
マイアミ・ヒートに移籍。その後、1995年のエクスパンション・ドラフトで、新設された
トロント・ラプターズへ移籍することになります。しかし、トロントでのプレーは短期間に終わり、程なくして
シカゴ・ブルズに加入。
マイケル・ジョーダンや
スコッティ・ピッペンといったスター選手を擁するブルズは、このシーズンに
NBA記録となる72勝を達成。プレイオフでも圧倒的な強さを見せ、サリーは自身3つ目のチャンピオンリングを手に入れました。シーズン終了後、サリーは一度現役
引退を表明しますが、一時的にギリシャのパナシナイコスでプレーしました。
約3年のブランクを経て、サリーは
ロサンゼルス・レイカーズに加入。レイカーズでは、目立った活躍こそなかったものの、チームの一員としてロスターに名を連ね、2000年に4度目の優勝を経験しました。この優勝により、サリーは「異なる3つのチームで優勝を経験した初の選手」となりました。その後、
ロバート・オーリーも同様の偉業を達成し、現在では
レブロン・ジェームズとダニー・グリーンを含む4選手が、この記録を保持しています。
ジョン・サリーは、そのユニークなキャラクターと、複数のチームで優勝を経験した実績により、
NBA史にその名を刻む特別な選手と言えるでしょう。