ジョン・シブソープ

ジョン・シブソープの生涯と業績

ジョン・シブソープ（John Sibthorp、1758年10月28日 – 1796年2月8日）は、イギリスの著名な植物学者として知られています。その研究は特にギリシャの植物に焦点を当て、『ギリシャ植物誌』（Flora Graeca）という重要な出版物に結実しました。彼の業績は、彼が亡くなった後の1806年に協力者たちによって世に出され、その後の植物学に多大な影響を与えました。

生い立ちと教育

シブソープはオックスフォードに生まれました。彼の父、ハンフリー・シブソープはオックスフォード大学の植物学のシェラルディアン教授としても知られています。ジョンはオックスフォード大学のリンカーン・カレッジを卒業後、スコットランドのエディンバラ大学とフランスのモンペリエ大学で医学を学びます。1784年には父の跡を継ぎ、シェラルディアンの教授職に就任しますが、その職務は代理人に任せ、植物の研究を優先しました。

採集旅行と業績

彼の研究の重要な部分は、1786年と1787年に行ったギリシャとキプロスへの採集旅行にあります。この旅行では、植物画家のフェルディナント・バウアーと共に、さまざまな植物の標本を収集しました。バウアーは1500枚に及ぶ植物や動物のスケッチを制作し、それが後の出版物に寄与することになります。1788年、シブソープはイギリスに戻り、ロンドン・リンネ協会の設立に関与し、植物学の発展に尽力しました。翌年には、オックスフォードの植物に関する著作『オックスフォードの植物誌』（Flora Oxoniensis）を出版し、その業績を広めました。

1788年には、王立協会のメンバーにも選出され、植物学の権威としての地位を確立しました。しかし、シブソープのキャリアは1796年に悲劇的な形で幕を閉じました。彼は再度ギリシャへの旅行を計画し、実施しましたが、帰路で肺炎を患い亡くなってしまいます。

遺産と出版物

シブソープの死後、彼は遺言により自然誌と農学に関する彼の書物をオックスフォード大学に寄付しました。また、彼の遺産を基に『ギリシャ植物誌』や『Florae Graecae Prodromus』の出版が進められるよう指示を残しました。これらの業績は、ジェームズ・エドワード・スミスやジョン・リンドリーなどの協力によって完成されました。『ギリシャ植物誌』の初版は966枚の彩色図版が収められ、わずか30部しか印刷されなかった膨大な著作となりました。

まとめ

ジョン・シブソープは、植物学における重要なフィギュアであり、特にギリシャの植物に関する研究に多大な貢献をしました。彼の業績は今も多くの研究者に影響を与え続けています。彼の残した資料や著作は、植物学のさらなる発展に寄与し、多くの研究の基礎となっています。

もう一度検索