ジョン・シャーホルツ

ジョン・シャーホルツ：球団経営の名手、常勝チームを作り上げた男

ジョン・シャーホルツ（John Schuerholz、1940年10月1日 - ）は、メジャーリーグベースボール（MLB）のアトランタ・ブレーブスの球団社長です。かつてはカンザスシティ・ロイヤルズとブレーブスでゼネラルマネージャー（GM）を務め、両球団をワールドシリーズ制覇に導きました。メリーランド州ボルチモア出身。

キャリアの初期

シャーホルツは1966年にボルチモア・オリオールズでキャリアをスタートさせました。1969年のエクスパンションによりカンザスシティ・ロイヤルズが誕生すると、シャーホルツはロイヤルズで働くことになります。

ロイヤルズGM時代：若手育成と世界一

1981年のオフシーズン、シャーホルツはロイヤルズのGMに就任しました。当時としては最年少のGMでした。彼はマイナーリーグの組織を強化し、ブレット・セイバーヘーゲン、バド・ブラック、ダニー・ジャクソン、デビッド・コーン、マーク・グビザといった若手選手が短期間で成長し、チームの戦力となりました。そして1985年、ロイヤルズは念願のワールドシリーズ制覇を果たしました。

ブレーブスGM時代：黄金時代の構築

1990年、シャーホルツはロイヤルズを離れ、アトランタ・ブレーブスのGMに就任しました。ボビー・コックスの監督復帰、トム・グラビンやジョン・スモルツといった若手投手の台頭、テリー・ペンドルトンの獲得などが功を奏し、ブレーブスは1991年に33年ぶりのリーグ優勝を果たしました。しかし、ワールドシリーズではミネソタ・ツインズとの激戦の末に敗れました。翌1992年もリーグ優勝を果たし2連覇を達成しましたが、ワールドシリーズではトロント・ブルージェイズに敗れました。

シャーホルツは世界一を目指し、オフにシカゴ・カブスからサイ・ヤング賞投手であるグレッグ・マダックスを獲得し、投手陣をさらに強化しました。シーズン中にはフレッド・マグリフをトレードで獲得しましたが、1993年はリーグチャンピオンシップシリーズでフィラデルフィア・フィリーズに敗れました。1994年はストライキでシーズンが中断されましたが、1995年にはチッパー・ジョーンズの活躍もあり、2年ぶりのリーグ優勝を達成。ワールドシリーズではクリーブランド・インディアンスを破り、ブレーブスは38年ぶりの世界一に輝きました。

球団社長へ、そして殿堂入り

シャーホルツは2007年にGMを辞任し、球団社長に就任しました。2016年にはブレーブスの球団殿堂入りを果たし、2017年にはアメリカ野球殿堂のベテランズ委員会によって、得票率100％で殿堂入りを果たしました。

GM時代の実績

カンザスシティ・ロイヤルズ

地区優勝：3回
リーグ優勝：1回
ワールドシリーズ優勝：1回

アトランタ・ブレーブス

地区優勝：14回
リーグ優勝：5回
ワールドシリーズ優勝：1回

ジョン・シャーホルツは、その手腕で2つの球団を世界一に導いた、球界を代表する名GM、球団経営者と言えるでしょう。

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