テリー・ペンドルトン

テリー・リー・ペンドルトン：不屈の努力で開花した遅咲きの名選手

テリー・リー・ペンドルトンは、1960年7月16日にカリフォルニア州ロサンゼルスで生まれました。右投両打の内野手として、メジャーリーグで活躍。1982年のMLBドラフト7巡目でセントルイス・カージナルスに入団し、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。

カージナルス時代は、主に二塁手としてプレーしていましたが、1984年にAAA級ルイビル・レッドバーズで三塁手にコンバートされます。同年、カージナルスは正三塁手をトレードで放出し、後任の選手が不調だったため、ペンドルトンにメジャー昇格のチャンスが巡ってきました。1984年7月18日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦でメジャーデビューを果たすと、初戦で5打数3安打と活躍し、そのままレギュラーに定着しました。

1984年は67試合に出場し、打率.324、20盗塁という好成績を記録。1985年以降もレギュラーとして活躍を続け、1985年と1987年にはワールドシリーズに出場。1987年と1989年にはゴールドグラブ賞を受賞するなど、守備の名手として評価を高めました。しかし、カージナルス時代は、打撃成績は比較的平凡でした。

1991年、ペンドルトンはFAでアトランタ・ブレーブスに移籍すると、打撃面で才能が開花。打率.319で首位打者のタイトルを獲得し、チームを地区優勝に導く原動力となりました。その活躍が認められ、シーズンMVPも受賞。チームはリーグチャンピオンシップシリーズを制覇し、ワールドシリーズに進出しましたが、ミネソタ・ツインズに敗れました。この時、ツインズにはカージナルス時代にもワールドシリーズで敗れており、奇しくも同じような展開での敗北となりました。この年の187安打、303塁打はリーグトップで、22本塁打、8三[[塁打]]は自己最高を記録しました。また、カムバック賞も受賞しています。

翌1992年もリーグ最多となる199安打を放ち、打率.311、21本塁打、自己最多となる105打点を記録。自身初のMLBオールスターゲームにも選出されました。また、3度目のゴールドグラブ賞も受賞。ブレーブスは2年連続でワールドシリーズに進出しましたが、トロント・ブルージェイズに敗れました。このブルージェイズもカージナルス時代にワールドシリーズで敗れた相手であり、因縁を感じさせる結果となりました。

1995年には、新鋭チッパー・ジョーンズの台頭により、フロリダ・マーリンズに移籍。移籍初年度は打率.290、14本塁打を記録しました。皮肉にも、ペンドルトンが移籍したブレーブスはこの年にワールドシリーズ優勝を果たします。

1996年シーズン途中に、ペンドルトンはブレーブスに復帰します。これは、チームの主軸であるデビッド・ジャスティスの故障や、正遊撃手のジェフ・ブラウザーの故障に対応するためのものでした。チッパー・ジョーンズを遊撃手にコンバートし、三塁手としてペンドルトンを再び起用するというチームの戦略でした。交換相手は、後にオリックス・ブルーウェーブでプレーするルーズベルト・ブラウンでした。この年、ブレーブスはワールドシリーズに進出しましたが、ニューヨーク・ヤンキースに敗れ、ペンドルトンにとっては5度目のワールドシリーズ敗退となりました。

1997年はシンシナティ・レッズと契約しましたが、度重なる故障のためシーズン途中で解雇されました。1998年にはカンザスシティ・ロイヤルズに移籍し、現役を引退しました。

引退後は、2002年から古巣ブレーブスで打撃コーチとして指導者の道を歩み始めます。その後、一塁ベースコーチ、ベンチコーチと役割を変えながら、チームを支えました。2017年シーズン終了後、ブレーブスとの契約が更新されず、チームを去ることとなりました。

ペンドルトンの輝かしい成績は、以下の通りです。

首位打者：1回（1991年）
シーズンMVP：1回（1991年）
ゴールドグラブ賞：3回（1987年、1989年、1992年）
カムバック賞：1回（1991年）
* MLBオールスターゲーム選出：1回（1992年）

ペンドルトンは、不屈の精神で幾多の困難を乗り越え、メジャーリーグで輝かしい成績を残しました。その野球に対する情熱と努力は、多くの人々に感動と勇気を与え続けています。

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