バド・ブラック

ハリー・ラルストン・ブラックについて

ハリー・ラルストン・ブラック（Harry Ralston "Bud" Black）は、1957年6月30日にカリフォルニア州サンマテオで生まれたアメリカの野球界の著名な人物です。彼はプロ野球選手としてピッチャーを務めた後、数々のチームで監督としても活躍しました。現役時代には100勝以上を記録した投手出身の監督として、ボブ・レモンやラリー・ダーカーに次ぎ、歴史的な地位を築いています。

プロ入り前の経歴

ブラックは南カリフォルニアで育ち、ワシントン州のローワー・コロンビア州立短期大学に在籍中の1977年に、当時高校生ながらサンフランシスコ・ジャイアンツから1次ドラフトで指名を受けました。しかし、契約には至りませんでした。続いて、ニューヨーク・メッツからも指名を受けましたが、再び契約を結ぶことはありませんでした。このようにして彼はプロの世界とは距離を置くことになりました。1980年にシアトル・マリナーズからの指名を受けて初めてプロとしてのキャリアが始まりました。

マリナーズおよびロイヤルズ時代

ブラックはプロ入り後、シアトル・マリナーズに入団し、さまざまなレベルで登板を重ねました。最初の数年は主にビリンガムやサンノゼといったA級チームでプレーし、1981年にはメジャーに昇格しました。1982年にはカンザスシティ・ロイヤルズに移籍し、こちらでも活躍しました。特に1984年には17勝を記録し、エースとしてチームをア・リーグ西地区の優勝に導く要因となりました。彼は5月25日にはメジャー昇格を果たし、トロント・ブルージェイズとのワールドシリーズでの活躍も印象的でした。

インディアンスおよびブルージェイズ時代

1988年にはクリーブランド・インディアンスにトレードされ、先発・中継ぎ両方で活躍しました。1990年にはトロント・ブルージェイズに移籍し、ここでもチームに貢献。シーズン終盤は優勝争いに加わったものの、2ゲーム差で優勝を逃しました。

ジャイアンツ時代と現役引退

1990年シーズン終了後、彼はFAとなり、その後サンフランシスコ・ジャイアンツと契約。高額な契約にも関わらず、1991年と1992年には二桁勝利を収め、期待に応える結果を残しました。しかし、怪我が続き、登板が減ってしまいました。ついに1995年にインディアンスと契約を結びましたが、思うようにパフォーマンスを出せず、1995年7月に引退を決断しました。

引退後の経歴と監督業

現役引退後は、インディアンスのGM特別補佐を務めた後、2000年にアナハイム・エンゼルスの投手コーチに就任しました。この役割を通じて多くの投手を育て上げ、2002年にはワールドシリーズ制覇を成し遂げるなど、輝かしい成果を残しました。監督としても、特にサンディエゴ・パドレスでは成功を収め、2015年にはパドレス監督を解任されたものの、同年内にワシントン・ナショナルズの新監督に就任する話もありました。しかし、契約成立には至らず、最終的には2017年からコロラド・ロッキーズの監督になりました。

プレースタイルと人柄

ブラックは現役時代、多彩な変化球で打者を翻弄するスタイルを持っていました。また、少年たちが安全に野球を楽しめるように、正しい投球法を教える活動にも参加しており、その指導力には定評があります。彼の野球に対する情熱と選手育成の姿勢は、今後も多くの人々に影響を与え続けています。

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