ジョン・デビッド・ジャクソン

ジョン・デビッド・ジャクソン（John David Jackson）は、1963年5月17日にアメリカ合衆国コロラド州デンバーで生まれた、元プロボクサーであり、引退後は名トレーナーとして知られています。

現役キャリア

ジャクソンは1984年3月11日、プロのリングに上がり、デビュー戦で鮮烈な初回KO勝利を収め、そのキャリアをスタートさせました。

プロ転向から約3年後の1987年1月13日、シドニー・アウトラムとの全米ペンシルベニア州スーパーウェルター級王座決定戦に臨み、6回4秒TKOで勝利し、最初の地域タイトルを獲得しました。

さらに実績を積み、1988年12月8日には、新設されたWBO世界スーパーウェルター級の初代王座決定戦に出場。元WBC世界王者であるルペ・アキノと拳を交え、7回終了時の相手の棄権により勝利を収め、自身初となる世界王座に就きました。

WBO世界スーパーウェルター級王者として、ジャクソンは合計6度の防衛に成功しています。

1989年4月22日に行われた初防衛戦では、後にWBA世界スーパーミドル級王者となるスティーブ・リトルを相手に、8回TKOで退け、王座保持に成功しました。
1990年2月17日の試合は、マーティン・カマラとの対戦となったが、11回に無効試合となり、結果的に2度目の防衛が認められました。
同年10月23日には、後にWBO世界ミドル級王者となるクリス・ピアットと対戦。12ラウンドに及ぶ激闘の末、3-0の明白な判定勝利を収め、3度目の防衛を果たしました。
1991年7月21日、タイロン・トリスを相手に12回判定勝ち（3-0）を収め、4度目の防衛を達成しました。
1992年6月9日の試合では、パット・ロウラーとの対戦中に相手が目をカットし、9回終了時にドクターストップによる棄権となったため、5度目の防衛を果たしました。
同年12月19日には、マイケル・マストロナルドを10回1分14秒TKOで破り、6度目の王座防衛に成功しました。

WBOスーパーウェルター級王者としてその地位を固めたジャクソンは、階級を上げ、1993年10月1日、WBA世界ミドル級王者レジー・ジョンソンに挑みました。12回に及ぶ熱戦は判定にもつれ込み、ジャクソンが3-0（2者が115-114、115-113）で勝利。見事2階級制覇を達成しました。

WBA世界ミドル級王座を獲得したわずか1ヶ月後の1993年10月30日、保持していたWBO世界スーパーウェルター級王座を返上しました。しかし、WBA世界ミドル級王座は、翌1994年初頭に剥奪されるという不運に見舞われました。

失った王座を取り戻すべく、1994年12月10日、メキシコのモンテレイでWBA世界ミドル級王者ホルヘ・カストロと対戦。試合は序盤からジャクソンが優位に進め、一方的な展開に見えました。しかし、経験豊富な王者カストロは9回に驚異的な猛攻を開始。レフェリーストップにより、9回2分34秒、ジャクソンはまさかの大逆転TKO負けを喫し、王座返り咲きは叶いませんでした。

その後も世界王座を目指しましたが、1997年4月19日にはIBF世界ミドル級王者バーナード・ホプキンスと対戦。この試合はホプキンスが終始ジャクソンを圧倒し、7回2分22秒TKO負け。WBAに続き、IBF王座獲得もなりませんでした。

キャリア晩年にはスーパーミドル級に階級を上げ、1998年2月20日には因縁の相手、ホルヘ・カストロとWBAフェデラテンスーパーミドル級王座決定戦で再戦しました。この試合では初回と4回にそれぞれダウンを奪われるなど苦戦し、10回判定0-3で敗れ、地域タイトル獲得も果たせませんでした。

1999年9月25日、デーブ・ボーンとの試合で2回TKO勝利を収めたのを最後に、現役生活から退きました。

トレーナーとして

リングを降りた後は、かつて自身を指導したグレッグ・ベンドンからトレーニング理論を学び、トレーナーとしての道に進みました。ロサンゼルスにあるクリアソンズ・ジムを拠点に、多くのプロボクサーを指導しています。

彼が指導した中には、セルゲイ・コバレフのような世界トップクラスの選手をはじめ、ランドール・ベイリー（スーパーライト級時代）、ネート・キャンベル、さらには現役時代の宿敵であったバーナード・ホプキンス（アントニオ・ターバー戦や引退試合）やシェーン・モズリー（ロナルド・ライト戦、フェルナンド・バルガスとの2戦）といった著名なボクサーたちが名を連ねています。

獲得タイトル

全米ペンシルベニア州スーパーウェルター級王座
WBO世界スーパーウェルター級王座（6度防衛後返上）
* WBA世界ミドル級王座（獲得後剥奪）

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