ジョン・トロペイ

ジョン・トロペイ：多才なギタリストの軌跡

ジョン・トロペイ（John Tropea）は、1946年1月7日生まれのアメリカ合衆国のギタリストです。12歳からギターを始め、バークリー音楽大学でジャズ・ギター、ハーモニー、作曲、ビッグバンドのアレンジなどを学びました。彼の音楽性は、ウェス・モンゴメリー、ジョニー・スミス、ルイス・ボンファ、パット・マルティーノ、ジョージ・ベンソンといったギタリストからの影響を受けています。

セッション・ミュージシャンとしての活躍

バークリー音楽大学卒業後、トロペイはエウミール・デオダートとのレコーディングやツアーに参加。1967年にニューヨークへ移り、セッション・ミュージシャンとして数々のレコーディングに参加しました。1974年には、ヴァン・モリソンのアルバム『ヴィードン・フリース』に収録された「Bulbs」と「Cul de Sac」でギターを演奏しています。また、TKレコードのために3枚のソロ・アルバムを制作し、高い評価を得ました。

初期のレコーディングやプロジェクトを通じて、ウォーレン・バーンハート、マイケル・ブレッカー、ランディ・ブレッカー、スティーヴ・ガッド、ドン・グロルニック、アンソニー・ジャクソン、デイヴィッド・サンボーン、デヴィッド・スピノザ、リチャード・ティーなど、ニューヨークのトップミュージシャンたちと音楽的な交流を深めました。

ソロ活動と多様なコラボレーション

トロペイはソロ・アーティストとしても活動しており、『トロペイ』 (1975年)、『ショート・トリップ・トゥ・スペース (宇宙楽園)』 (1977年)、『トゥ・タッチ・ユー・アゲイン』 (1979年)といったアルバムをリリース。これらの作品では、彼の卓越したギターテクニックと音楽性が堪能できます。

また、ビリー・コブハム、エウミール・デオダート、ローラ・ニーロ、ハリー・チェイピン、ポール・サイモン、エリック・クラプトン、ドクター・ジョンといった様々なアーティストとの共演も果たしています。映画や放送広告の音楽制作にも携わるなど、その活動は多岐にわたります。

近年の活動

近年では、共同プロデューサーであり友人でもあるウィル・リーと頻繁に活動を共にし、アルバム『チェンジ・ザ・ワールド』と『レッツ・ゲット・イット・オン』をリリース。ニューヨークのミケルズでのトロペイ・バンドによるライブ・パフォーマンスも行っています。また、1977年から1980年にかけてWABCの番組『Eyewitness News』のエンディングで使用された曲「タンブリン」を作曲しました。

ディスコグラフィー

ソロ・アルバム

『トロペイ』 - Tropea (1975年)
『ショート・トリップ・トゥ・スペース (宇宙楽園)』 - Short Trip to Space (1977年)
『トゥ・タッチ・ユー・アゲイン』 - To Touch You Again (1979年)
『ライヴ・アット・ミケルズ』 - Live at Mikell's (1982年)
『ニューヨーク・キャッツ・ダイレクト』 - NYC Cats Direct (1986年)
『チェンジ・ザ・ワールド』 - A Simple Way to Say I Love You (1997年)
『レッツ・ゲット・イット・オン』 - Something Old, New, Borrowed and Blues (1999年)
『スタンダード・インフルエンス』 - Standard Influence (2003年)
『ロック・キャンディ』 - Standard Influence II: Rock Candy (2005年)
『トロペイ10 - ザ・タイム・イズ・ライト』 - Tropea 10: The Time Is Right (2007年)
『ガット・ユア・リズム!』 - Gotcha Rhythm Right Here (2014年)

参加アルバム（一部）

エウミール・デオダート: 『ツァラトゥストラはかく語りき』 - Also Sprach Zarathustra (2001 Theme) (1972年)
ビリー・コブハム: 『スペクトラム』 - Spectrum (1973年)
ヴァン・モリソン: 『ヴィードン・フリース』 - Veedon Fleece (1974年)
ポール・サイモン: 『時の流れに』 - Still Crazy After All These Years (1975年)
山下達郎: 『CIRCUS TOWN』 (1976年)
* エリック・クラプトン: 『ジャーニーマン』 - Journeyman (1989年)

ジョン・トロペイは、長年にわたり、セッション・ミュージシャン、ソロ・アーティストとして、その才能を発揮し続けています。彼の音楽は、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。

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