ジョン・トーランド

ジョン・トーランドの生涯と業績

ジョン・トーランド（John Toland）は、1912年6月29日にウィスコンシン州ラクロスで生まれたアメリカの著名な戦史およびノンフィクション作家です。彼は1940年代から作家として活動を開始し、特に第二次世界大戦に関する著書で名声を博しました。経歴を振り返ると、彼はウィリアムズ大学を卒業した後、太平洋戦争に従軍した経験があり、この経験が彼の作品に深い影響を与えています。

トーランドの本格的な作家活動は彼の40代から始まり、多くの戦記著作が出版されました。中でも1971年に出版された『The Rising Sun　大日本帝国の興亡』は、日米両国の様々な当事者からの取材を基にしており、ピューリッツァー賞の一般ノンフィクション部門を受賞しました。この作品は、戦争の真実を探求する彼の姿勢を如実に表しており、戦争史の理解を深める上で重要な資料となっています。加えて、彼の著作《ヒトラー伝》も高い評価を受けており、これらの作品を通じて彼は戦争や政治についての洞察を提供しました。

トーランドは、妻が日本人の寿子であり、彼女との間に一女をもうけています。家族の背景もあり、彼は日本に長期滞在することが多く、その間に日本人や日本文化との深い関わりを持つようになりました。取材と執筆活動を兼ねた在日生活は、彼の作品に日本文化や歴史への理解をもたらしました。

後年、トーランドはコネチカット州ダンブリーに住んでいましたが、2004年に肺炎により亡くなりました。彼の遺した作品は、戦史作家としての地位を確立し、多くの読者に影響を与え続けています。

主な著作

彼の著作には、多くの重要な作品があり、その中には日本語訳も存在します。次に彼の著作のいくつかを紹介します。

1. 『真珠湾は燃えている 大東亜戦争の6カ月』（児島襄訳、1964年）
- 真珠湾攻撃からの日本の戦況を描いた作品です。

2. 『最後の100日 ヨーロッパ戦線の終幕』（全2巻、永井淳訳、1966年、ハヤカワ文庫NF版は1977年）
- 第二次世界大戦のヨーロッパ戦線の終結に関する詳細な記録です。

3. 『バルジ大作戦』（向後英一訳、1966年、さらなる新版も発表）
- バルジ戦を中心に描かれた作品で、戦争の激しさを生々しく伝えます。

4. 『大日本帝国の興亡』（全5巻、毎日新聞社外信部訳、1971年）
- 彼の代表作であり、日本の戦争におけるさまざまな視点を提供します。

5. 『アドルフ・ヒトラー』（永井淳訳、1979年、集英社文庫版もあり）
- ヒトラーの生涯を描いた伝記で、彼の思想や行動を深く考察しています。

6. 『真珠湾攻撃』（徳岡孝夫訳、1982年）
- 真珠湾攻撃の詳細を綴った作品です。

これらの著作を通じて、ジョン・トーランドは戦争の実際を掘り下げ、読者に歴史の教訓を伝える努力を続けました。彼の作品は今もなお多くの人々に読まれ、理解を深めるための重要な資料として活用されています。

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