ジョン・ハミルトン (初代アバコーン侯爵)

初代アバコーン侯爵ジョン・ジェイムズ・ハミルトン

初代アバコーン侯爵ジョン・ジェイムズ・ハミルトン（1756年7月 - 1818年1月27日）は、イギリスの貴族であり政治家でした。彼は1783年から1789年まで庶民院議員を務め、小ピット派に属していましたが、政治家としては小ピットに信用されず、アイルランド総督への就任も果たせませんでした。

生涯

ジョン・ハミルトンは、1756年7月にロンドンで、第7代アバコーン伯爵ジェイムズ・ハミルトンの次男として生まれました。彼はハーロー校とケンブリッジ大学ペンブルック・カレッジで教育を受け、1776年にM.A.の学位を取得しました。ケンブリッジ大学では小ピットと同窓であり、政界に進出した後は小ピットを支持しました。

1781年から1783年にかけてグランドツアーでヨーロッパを旅した後、1783年12月1日にイースト・ルー選挙区の補欠選挙で庶民院議員に当選しました。彼はチャールズ・ジェームズ・フォックスの東インド法案に反対し、小ピット派の一員として活動しました。1784年の総選挙ではセント・ジャーマンズ選挙区から再選され、小ピットの選挙改革案を支持し、ウォーレン・ヘースティングズの弾劾裁判ではヘースティングズを支持しました。

1789年10月9日に伯父の死去によりアバコーン伯爵位を継承し、同時にスコットランド、イングランド、アイルランドの領地を相続しました。アイルランドの領地は主にティロン県とドニゴール県にあり、約36,000エーカーで年収2万ポンド以上でした。1790年10月15日には、小ピットの支持を受けてグレートブリテン貴族であるアバコーン侯爵に叙されました。

アイルランド政界では、1790年7月19日にアイルランド貴族院議員に就任し、ストラバーン選挙区への影響力を回復して、アイルランド庶民院への影響力を増大させました。アバコーン侯爵自身もカトリック解放を支持するようになり、アイルランド総督への就任を目指しましたが、小ピットに低評価されたため実現しませんでした。1794年2月1日にはアイルランド枢密院の枢密顧問官に任命されました。

彼は1800年合同法を支持し、合同後はアディントン内閣を支持しました。小ピットが首相に復帰した後の1805年1月17日にはガーター勲章を授与されました。

晩年には多くの子女に先立たれるという不幸に見舞われ、1818年1月27日に死去しました。爵位は孫のジェイムズが継承しました。

評価

アバコーン侯爵は、上流社会の人物として、演説力、財力、選挙への影響力があり、アイルランドとグレートブリテンの両方にコネを持っていました。しかし、自身の野心と政治での現実が一致せず、小ピットからの信用を得られなかったため、政界で大きな成功を収めることはできませんでした。

政治以外では、建築家のパトロンとして知られ、サー・ジョン・ソーンを招聘してティロン県バロンズコートの改築を進めました。

家族

1779年6月20日にキャサリン・コプリーと結婚し、2男4女をもうけました。1792年3月4日にセシル・ハミルトンと再婚し、1女をもうけましたが、後に離婚しました。1800年4月3日にはアン・ジェーン・ハットンと再婚しましたが、子供はいませんでした。

ハリオット・マーガレット（1781年ごろ – 1803年4月30日）
キャサリン・コンスタンシア（1782年10月7日 – 1783年5月23日）
キャサリン・エリザベス（1784年1月10日 – 1812年2月29日）
マリア（1785年2月28日 – 1814年1月21日）
ジェイムズ（1786年10月7日 – 1814年5月27日） - 初代アバコーン公爵ジェイムズ・ハミルトンの父
クロード（1787年11月1日 – 1808年6月）
* セシル・フランシス（1795年7月19日 – 1860年7月7日）

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