ジョン・ハーシェル・グレン

ジョン・ハーシェル・グレン・ジュニアの生涯

ジョン・ハーシェル・グレン・ジュニア（1921年7月18日 - 2016年12月8日）は、アメリカの象徴的な人物であり、海兵隊の戦闘機パイロットから宇宙飛行士、そして政治家としてのキャリアを歩んできました。彼は1962年にアメリカ人として初めて地球を周回する軌道飛行を果たし、後に上院議員としてオハイオ州を代表しました。

初期の経歴

ジョン・グレンはオハイオ州ケンブリッジで誕生し、生まれてすぐにニュー・コンコードに引っ越しました。科学技術の学びに専念し、マスキンガム大学で工学の学士号を取得。1943年にはアメリカ海軍の航空士官養成課程に参加し、1944年には海兵隊第155海兵戦闘航空隊に配属されました。彼は主にマーシャル諸島でF4Uコルセア戦闘機を操縦し、日本に対する攻撃任務を行いました。

戦後、グレンはグアムを拠点に中国共産党軍の偵察を行い、1948年にはテキサス州の海軍航空基地で飛行教官としての役割に就きました。朝鮮戦争では、空軍のF-86セイバー戦闘機を操縦し、敵機を撃墜する戦果を上げました。

テストパイロットとしての挑戦

グレンは1954年にアメリカ海軍テストパイロット学校を卒業し、新型機のテストに携わりました。彼はFJ-2/3戦闘機の試験中に事故に遭遇しましたが、魅力的なテストパイロットとしてのキャリアを築きました。1957年には、超音速でのアメリカ大陸横断飛行を成功させ、故郷を大きな音で驚かせました。

宇宙飛行士としての偉業

1958年から始まった宇宙飛行士の選抜で、グレンはNASAのマーキュリー計画に参加しました。1962年にはマーキュリー6号（フレンドシップ7）で宇宙へ飛び立ち、アメリカ初の地球周回を達成しました。それは映画『ライトスタッフ』のモデルともなり、彼の業績は広く知られています。なお、この成功は、海兵隊大佐として退役後のキャリアにおいても高く評価され、コリアートロフィーを受賞印象深い瞬間として記録されました。

政治家としての活動

1964年にはNASAを離れ、ビジネスマンとして新たな道を切り拓きます。1974年から1999年までアメリカ合衆国上院議員としてオハイオ州の代表を務め、政治の世界でも影響力を発揮しました。1984年には民主党大統領予備選挙に出馬しますが、最終的に惜しくも敗退しました。

再び宇宙へ

1998年に、スペースシャトルのディスカバリー号に乗り込み、77歳という高齢で宇宙へ再度飛び立つという驚異的な挑戦を果たしました。この宇宙旅行は当時の最年長宇宙飛行として記録され、高齢者の可能性をさらに広げる象徴とされました。なお、彼の名前に基づいてNASAの研究センターが改名され、グレン研究センターとなりました。

最後の年月

その後の彼の生涯には、多数のメディアでの出演や、映画『スペース・カウボーイ』などでのキャラクターのモデルとなるなどの活動がありました。2002年に発表された教科書では、彼の宇宙飛行の体験がそのまま使用されました。2016年には、最高の栄誉である大統領自由勲章が授与されましたが、同年12月8日に95歳で他界しました。彼の生涯は多くの人々に影響を与え、また彼の業績は挑戦し続けることの大切さを教えてくれました。

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