ジョン・ヒルコート

ジョン・ヒルコート

ジョン・ヒルコート（John Hillcoat、1961年 - ）は、オーストラリアを代表する映画監督、脚本家です。そのキャリアはミュージックビデオの監督から始まり、映画界へと進出。独特な映像美と、人間の内面を深く掘り下げるストーリーテリングで、国際的な評価を確立しました。

生い立ちと初期のキャリア

ヒルコートはクイーンズランド州で生まれ、幼少期をカナダのオンタリオ州ハミルトンで過ごしました。幼い頃から絵の才能を発揮し、ハミルトン・アートギャラリーで作品が展示されるなど、早くから芸術的な才能を開花させました。その後、ミュージックビデオの監督としてキャリアをスタートさせ、ニック・ケイヴやデペッシュ・モードなど、数々の著名なアーティストの作品を手がけました。彼のミュージックビデオは、そのスタイリッシュな映像と、楽曲の世界観を深く表現した演出で、高い評価を得ています。

映画監督としての飛躍

2000年代に入ると、ヒルコートは映画監督として本格的に活動を開始します。2005年には、ガイ・ピアース、レイ・ウィンストン出演の『ザ・プロポジション -血の誓約-』で長編映画監督デビューを果たしました。この作品は、オーストラリアの荒野を舞台に、過酷な運命に翻弄される兄弟を描いた作品で、そのバイオレンス描写と、人間の倫理観を問う重厚なテーマで、世界中の映画ファンを魅了しました。

2009年には、コーマック・マッカーシーのピューリッツァー賞受賞小説を映画化した『ザ・ロード』が、第66回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門に出品され、話題となりました。文明崩壊後の荒廃した世界を舞台に、父と子の絆を描いたこの作品は、その絶望的な世界観と、親子の愛情を描いた感動的なストーリーで、観客の心を揺さぶりました。

2012年には、『欲望のバージニア』が第65回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、10分近くに及ぶスタンディングオベーションを受けました。禁酒法時代のバージニアを舞台に、密造酒ビジネスに手を染める兄弟を描いたこの作品は、その豪華なキャストと、迫力のあるアクションシーンで、観客を魅了しました。

主な監督作品

ザ・プロポジション -血の誓約-（2005年）
ザ・ロード（2009年）
欲望のバージニア（2012年）
トリプル9 裏切りのコード（2016年）

ミュージックビデオ（一部）

スージー・アンド・ザ・バンシーズ - Stargazer (1995)
マニック・ストリート・プリーチャーズ - Australia (1996)
ブッシュ - Personal Holloway (1997)
プラシーボ - "You Don't Care About Us"(1998)
デペッシュ・モード - I Feel Loved (2001)、Freelove (2001)、Goodnight Lovers (2002)
ニック・ケイブ・アンド・ザ・バッド・シーズ - Babe I'm On Fire (2003)

外部リンク

ジョン・ヒルコート - allcinema
ジョン・ヒルコート - KINENOTE
* John Hillcoat - IMDb（英語）

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