ジョン・フラムスティード

ジョン・フラムスティードについて

ジョン・フラムスティード（1646年8月19日 - 1719年1月12日）は、イギリスの著名な天文学者であり、特にグリニッジ天文台の初代天文官として知られています。彼はケンブリッジ大学で学び、その後の業績が評価されました。

業績の概要

フラムスティードは、1666年および1668年に観測した日食を正確に予測することに成功しました。これにより彼の名声が高まり、1675年には初代の「イングランド王室天文官」に任命されました。この役職において、年俸は100ポンドでした。また、同年にはグリニッジ天文台の建設が始まりましたが、観測器具は置かれず、フラムスティードは自費で器具を整えなければなりませんでした。

フラムスティードは、観測器具の設計に際しては、ティコ・ブラーエの著作を参考にし、それを望遠鏡用へと改良しました。彼は自身を「宮廷付占星術師」と称しましたが、一般的にはグリニッジ天文台長としての地位が知られるようになりました。王室天文官とグリニッジ天文台長という称号は、近代のイギリス英語においても密接に結びついています。

王立協会との関係

1676年には王立協会のフェローに選出され、その後サリーのバーストー地域へと移住しました。1684年にはグリニッジに定住しました。この時期、著名な科学者アイザック・ニュートンがフラムスティードに観測記録を求めましたが、彼の記録がニュートンの理論に合わなかったため、両者の関係は次第に悪化しました。

ニュートンはフラムスティードからの観測記録が遅く送られてきたことや、不正確であると非難しましたが、実際には観測の結果が単純なモデルでは説明できないことが後に明らかとなります。このことは、善意からの誤解となりました。フラムスティードは、彼の観測記録を『天球図譜』として出版しようと試みましたが、ニュートンとエドモンド・ハレーが彼の進展を疑問視し、勝手に旧い記録を基に『天球図譜』を出版しました。

法廷での争いとその影響

フラムスティードはこの行為に反発し、裁判に訴えて勝訴しました。これにより、王立協会版『天球図譜』の在庫は全てフラムスティードに渡り、彼はそれを焼却しました。彼の行動はニュートンとの決裂を決定的にし、ニュートンはその後の著作からフラムスティードの名前をほとんど削除しました。

自費出版と晩年

王立協会の協力が期待できないと分かったフラムスティードは、自らの資金で『天球図譜』の発行を試みましたが、その生前には実現しませんでした。彼の死後、1725年から1729年にかけて妻の尽力によりこの書が出版されました。フラムスティードは1719年にグリニッジで亡くなり、翌1720年にはサリーのバーストーに埋葬されました。

天球図譜の重要性

フラムスティード版『天球図譜』は、航海や測量の基礎として重視されており、その影響は長く続いています。この図譜は、グリニッジとの経度や緯度の差を明確に示すもので、その結果、天文や測量の基準点としてグリニッジが位置付けられました。このことから、本初子午線の決定にもグリニッジ天文台が基準となることになりました。

また、フラムスティードの観測法として知られる番号付け方式は、恒星の特定において独自な方法を採っており、現在でも「フラムスティード番号」として用いられています。例えば、オリオン座のα星は、フラムスティードによってオリオン座の58番星とされます。彼の天球図では、星座は地球から見える形で描かれており、従来の方法とは異なるアプローチがとられました。

フラムスティードは観測の際に天王星を恒星として誤認し、この星におうし座34番星と名づけました。このことが原因でおうし座34番星は欠番となりました。彼の業績と影響は、後世においても多くの人々に引き継がれています。

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