経度

経度についての詳細

経度（けいど、英: Longitude）は、地球上における位置を特定するための座標の一つで、経緯度の一部を形成しています。経度は北極と南極を通る大円と本初子午線との間の角度で示され、本初子午線は現在のIERS基準子午線にあたります。これはロンドンのグリニッジ天文台を通っているため、地図での東経と西経として認識されます。東経はグリニッジ子午線の東側に位置し、西経はその西側に位置するポイントを指します。経度の値は0度から180度まであり、度をさらに分けて1度を60分、さらに1分を60秒に分割することで、より細かく位置を示すことも可能となっています。

経度の定義と計測

経度は、特定の地点における地球の位置を示すために使用されるもので、経度を決定するための線を「経線」と呼びます。経線は地球を縦に分け、それぞれの位置に基づいて標準時を規定する役割も果たしています。経度の計測は、天文測量やGPSなどの現代技術を用いて行われます。特にGPSは、精度高く地軸に基づいた経度を知る手段として広く利用されています。

経度と重要な都市

主要な都市の経度は、以下のように分類されます:

東経0～60度

• - パリ（フランス・東経2度）
• - ベルリン（ドイツ・東経13度）
• - ケープタウン（南アフリカ・東経18度）
• - イスタンブール（トルコ・東経28度）
• - モスクワ（ロシア・東経38度）
• - バグダード（イラク・東経44度）
• - テヘラン（イラン・東経51度）

東経60～120度

• - カーブル（アフガニスタン・東経69度）
• - デリー（インド・東経77度）
• - カトマンズ（ネパール・東経85度）
• - シンガポール（シンガポール・東経104度）
• - 北京（中国・東経116度）

東経120～180度

• - マニラ（フィリピン・東経121度）
• - 明石（日本・東経135度）
• - キャンベラ（オーストラリア・東経149度）
• - ウェリントン（ニュージーランド・東経175度）

西経0～60度

• - マドリッド（スペイン・西経4度）
• - レイキャビク（アイスランド・西経22度）
• - リオデジャネイロ（ブラジル・西経43度）
• - ブエノスアイレス（アルゼンチン・西経58度）

西経60～120度

• - ワシントンD.C.（アメリカ・西経77度）
• - シカゴ（アメリカ・西経87度）
• - デンバー（アメリカ・西経105度）
• - ロサンゼルス（アメリカ・西経118度）

西経120～180度

• - ホノルル（アメリカ・西経157度）
• - ヌクアロファ（トンガ・西経175度）

経度と航海の歴史

経度の正確な計測は、特に16世紀以降の外洋航海において重要な要素とされました。当時、緯度の測定は比較的容易でしたが、経度の測定は精密な時計が普及していなかったため、困難でした。このため、各国では海上での経度を測定する方法の開発に懸賞が出されたことがありました。ガリレオ・ガリレイやトビアス・マイヤーといった科学者たちが新たな方法を提案し、18世紀にはジョン・ハリソンが正確な航海用の時計を発明しました。

現在の経度測定

現在では、GPS技術の発展によって、経度の測定は格段に容易になりましたが、19世紀から20世紀にかけての測量体系は依然として天文測量や地上測量に依存しています。日本においても、日本測地系は明治時代に策定されたものであり、その後も経度・緯度の精度向上が図られています。経度は地球上の位置を特定するための不可欠な要素であり、今後も技術の進歩に伴い、さらなる精度向上が期待されます。

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