ジョン・ブラウン (スコットランドの肖像画家)

ジョン・ブラウン: スコットランドの画家

ジョン・ブラウン（John Brown、1752年頃 - 1787年9月5日）は、スコットランドのエディンバラで生まれた画家です。彼は時計職人の家庭で育ち、早期から美術に興味を持ちました。教育を受けたのは、エディンバラのトラスティーズ・アカデミー（現在のエディンバラ芸術大学）であり、ここで基礎的な技術を身につけました。

ローマでの修行

1769年頃、ブラウンはローマに移り、著名な画家アレクサンダー・ランチマンの下で学びました。この11年間、彼はイタリア文化に影響を受け、古代建築物のスケッチに尽力しました。彼はウィリアム・タウンリーやサー・初代準男爵ウィリアム・ヤングといったスコットランド人のパトロンたちから支持を受け、シチリアやイタリア本土を旅しながら作品を制作しました。

画風と作品

ブラウンは、主に小型の画面を使用し、鉛筆とペンを多用した作風を持っていました。水墨画の技術を取り入れ、インクを使用して筆で描くスタイルを好んでいました。この技法は彼の作品に独特な風合いをもたらし、特に風俗画においてその特徴は顕著です。1775年から1780年にかけて制作された『Two Men in Conversation』（ロンドン、コートールド美術研究所蔵）においては、同時代の画家ヨハン・ハインリヒ・フュースリーの影響が見られます。

イギリスでの活動

1780年にスコットランドに戻ったブラウンは、数年間にわたって有力者の肖像画を描きました。特に、スコットランド好古協会のメンバー25人を描いた作品は注目に値します。その後1786年からはロンドンに定住し、ミニチュア肖像画の展示を行いました。

最期の時

健康状態が悪化したことで、最終的にスコットランドに戻ることになったブラウンは、1787年にリースで亡くなりました。彼の作品は、当時のスコットランドやイタリアの文化的背景を反映し、今なお芸術史において重要な位置を占めています。ブラウンの芸術は、彼の経験と背景が色濃く反映された独特なものであり、未来の世代に影響を与え続けています。

もう一度検索