ジョン・ホバート (初代バッキンガムシャー伯爵)

初代バッキンガムシャー伯爵ジョン・ホバート

初代バッキンガムシャー伯爵ジョン・ホバート（John Hobart, 1st Earl of Buckinghamshire, 1693年10月11日 – 1756年9月22日）は、18世紀のグレートブリテン王国で活躍した貴族であり、ホイッグ党の政治家です。彼は、時の国王ジョージ2世の愛妾であったサフォーク伯爵夫人ヘンリエッタ・ハワードの弟としても知られています。

生涯

ジョン・ホバートは、第4代準男爵サー・ヘンリー・ホバートとその妻エリザベス（ジョセフ・メイナードの娘）の息子として生まれました。父ヘンリーは名誉革命を支持し、ウィリアマイト戦争にも参加しましたが、1698年に決闘で命を落としました。4歳で準男爵位を継承したジョンは、ケンブリッジ大学クレア・カレッジに進学しますが、学位は取得せずに政界へと身を投じます。

ホイッグ党員として、ノーフォーク州に強い影響力を持っていたホバートは、セント・アイヴス選挙区の議席を掌握し、1715年には庶民院議員に選出されました。議会では、七年議会法案や、便宜的国教徒禁止法と教会分裂阻止法の廃止を支持する一方で、貴族法案には反対しました。

1719年にはノーフォーク海軍次官に任命され、その職を生涯務めました。1720年には母方のメイナード家からデヴォン州の地所を相続し、ビア・アルストン選挙区の議席も手に入れます。1721年には下級商務卿に任命され、1722年と1727年の総選挙でも順調に議席を獲得し続けました。

1725年にはバス勲章を授与され、ジョージ2世の即位後には国王私室財務官に転じました。1728年にはグレートブリテン貴族であるホバート男爵に叙爵されます。この叙爵には、姉であるサフォーク伯爵夫人の影響力があったとされていますが、彼女の影響力が低下した後も、ホバートは官職を維持し続けました。

1739年にはノーフォーク統監に任命され、1744年には恩給紳士隊隊長に転じます。1745年には枢密顧問官に任命され、ジャコバイト蜂起の際にはノーフォーク統監として鎮圧部隊を招集しました。1746年にはバッキンガムシャー伯爵に叙爵されています。この叙爵は、蜂起鎮圧の功績、または1744年の転任への補償であると考えられています。

1756年、ジョン・ホバートはセント・ジェームズ・スクエアで亡くなり、ノーフォーク州ブリックリングに埋葬されました。爵位は息子のジョンが継承しました。

家族

ジョン・ホバートは、生涯で2度の結婚をしています。最初の妻ジュディス・ブリッティフとの間には、3男4女をもうけましたが、多くは夭折しました。2番目の妻エリザベス・ブリストーとの間には、2人の息子が生まれています。

ジョン（1723年 - 1793年） - 第2代バッキンガムシャー伯爵
ロバート（1733年没）
ドロシー（1798年没） - 第8代準男爵サー・チャールズ・ホサム＝トムソンと結婚
ジョージ（1731年 - 1804年） - 第3代バッキンガムシャー伯爵
* ヘンリー（1738年 – 1799年） - 庶民院議員

ジョン・ホバートは、政治家として、また貴族として、激動の時代を生き抜きました。彼の生涯は、当時のイギリス社会における権力構造や人間関係を垣間見ることができる貴重な資料と言えるでしょう。

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