奈良基督教会

奈良基督教会の概要

奈良基督教会（ならきりすときょうかい）は、日本聖公会に所属し、奈良県奈良市に位置する歴史ある教会です。昭和5年に建立されたこの教会は、奈良公園周辺の景観に配慮し、洋風建築が受け入れられなかった時代背景の中で、純和風のデザインが採用されました。その設計と施工は、教会の信徒であり宮大工である大木吉太郎によるもので、内部には美しい欄間が施されています。

歴史

奈良基督教会の歴史は1885年に遡ります。当時、日本人信徒と米国聖公会から派遣された宣教師ジョン・マキムによって奈良での伝道が始まりました。1887年6月には、近くの花芝町に初めて教会が建設されました。その後、同年の9月には米国聖公会の支援を受け、英学教育を行う奈良英和学校が開校しました。これは1901年まで続いた学校で、地元の民家を校舎として使用しました。

さらに、1906年には、女子教育の重要な一環として奈良育英学校が設立されました。この学校は教会を母体にしており、当初は花芝町の旧教会堂を使用していました。教会は後に正門付近に移築され、1930年には現在も使用されている礼拝堂と会館が新たに建設されました。

文化財としての重要性

奈良基督教会はその歴史的価値から数々の文化財に認定されています。特に、教会の会堂は重要文化財として国に指定されており、附属の会堂家具45点が含まれています。具体的には、聖卓や一人掛椅子、長机、長椅子、祭具机、説教台、聖書台などがあります。また、親愛幼稚園舎も重要文化財に指定されており、正門や設計図面147枚が附属しています。教会堂とその渡廊下は1997年に登録有形文化財として登録され、2015年には重要文化財に昇格しました。

奈良基督教会に関連する学校

奈良基督教会に関連した教育機関として、奈良英和学校と奈良育英学校があります。奈良英和学校は、米国聖公会の支援を受けて設立された英学学校であり、その後廃校となりましたが、奈良育英学校は教会を母体に設立され、今も地域で重要な教育機関として存在しています。

参考文献

この教会に関する情報は、藤森照信著の『建築探偵奇想天外』などの文献に記載されています。また、教会の公式ホームページや文化庁の国指定文化財データベースなども参考になるでしょう。

奈良基督教会は、美しい和風デザインと豊かな歴史を持つ文化財として、地域に根ざした重要な存在です。

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