ジョン・ラッセル (第4代ベッドフォード公)

第4代ベッドフォード公爵ジョン・ラッセルの生涯

ジョン・ラッセル（第4代ベッドフォード公爵）は1710年の秋、イングランドのサリー・ストリーサムで生を受けました。彼は第2代ベッドフォード公ライオセスリー・ラッセルとエリザベス・ホウランドの四男として生まれました。兄たちが早世する中、彼は家庭教育を受けた後、ヨーロッパ大陸へのグランドツアーを経て、1732年に兄である3代ベッドフォード公の急死に伴って、4代公位を継承しました。

彼の公爵位継承は困難なものでした。先代は重度の賭博癖を持ち、その結果25万ポンドという巨額の負債を抱えていました。しかし、ラッセルはその後の努力によって家族の財産を徐々に回復させ、デヴォンシャー、ノーサンバーランド、ブリッジウォーターの各公爵と並ぶ四大資産家の一人へと成長しました。

彼の政治活動は貴族院で始まり、初めてカートレット卿の指導する反ウォルポール・ホイッグ党派に属しました。1742年にウォルポール内閣が崩壊すると、カートレット卿が権力を握りましたが、ラッセルは政府が進めるハノーファー政策を批判しました。彼は1744年にヘンリー・ペラム内閣で海軍大臣に就任し、さらに南部担当国務大臣に転じましたが、閣内での初代ニューカッスル公との対立により、1751年には内閣を追われました。

1756年から1761年までアイルランド総督を務め、帰国後に第2次ニューカッスル公爵内閣で王璽尚書として活躍しました。この間、彼は七年戦争の講和に関わり、1762年にフォンテンブロー条約を締結して戦争の終結に貢献しました。その後、枢密院議長としてアメリカの植民地問題に関与し、強硬派としての立場を取りました。しかし、大ピット内閣の温和なアプローチには不満を持ち、しばらく野党の立場となりましたが、1767年の末には政権に復帰しました。

また、ラッセルは軍人としても活躍し、キャリアを積んで中将に昇進しました。1771年にはロンドンの自邸で亡くなりました。彼の死後も家族は影響を及ぼし、特に長男ジョンは早世しましたが、次男フランシスと長女キャロラインはそれぞれ異なる道を歩みました。

栄典と家族

ラッセルの爵位には多くの肩書きがあり、1732年には第4代ベッドフォード公爵などの称号を取得しました。また、1749年にはガーター勲章を受章しました。政治的および名誉職では、捨子養育院の初代総裁や王立協会フェローにも就任しました。

彼は1731年にダイアナ・スペンサーと結婚し、一男を儲けたが早世。その後、1737年に再婚し、ガートルードとの間に子供をもうけました。特に長女キャロラインは第4代マールバラ公爵ジョージ・スペンサーと結婚し、家族はその後も名門として知られました。

ジョン・ラッセルの生涯は、イギリスの政治家としての役割、家族の歴史、さらにはその影響力を長い間残すことに寄与しました。彼が築いた財産と名声は、以降の世代へと継承されていきました。

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