ジョン・ランディ

ジョン・ランディ:陸上界の英雄から政治家



ジョン・マイケル・ランディ(John Michael Landy、1930年4月12日 - 2022年2月24日)は、オーストラリアを代表する陸上競技選手であり、後に政治家としても活躍しました。彼は、1956年メルボルンオリンピックの1500mで銅メダルを獲得し、第26代ビクトリア州総督を務めた人物です。

陸上競技選手としての輝かしいキャリア



メルボルン出身のランディは、若い頃から陸上競技、特に1500mに関心を抱いていました。大学入学後、本格的に競技を始め、その才能を開花させます。1952年にはヘルシンキオリンピックに出場を果たしますが、1500mと5000mの両種目で予選敗退という結果に終わります。

しかし、ランディの真価が発揮されたのは1954年です。6月21日、フィンランドトゥルクで行われた競技会において、1マイルで3分58秒0の世界新記録を樹立しました。これは、人類史上初めて1マイル4分の壁を破ったロジャー・バニスターの記録を塗り替えるものでした。この時、1500mのラップタイムも3分41秒8を記録し、こちらも世界新記録となっています。

同年8月、カナダのバンクーバーで開催されたコモンウェルスゲームズでは、バニスターとの直接対決が実現しました。このレースは「ドリームレース」として世界中の注目を集め、両者とも4分を切るハイペースな展開となりましたが、ランディはバニスターに惜しくも敗れ、銀メダルに終わりました。

1956年、地元メルボルンで開催されたオリンピックでは、1500mで優勝候補と目されていましたが、アイルランドのロン・ディラニー、ドイツクラウス・リヒツェンハインに及ばず、銅メダルを獲得しました。

引退後:政治家としての新たな挑戦



競技生活を引退後、ランディはオーストラリア労働党の政治家として活動し、2001年には第26代ビクトリア州総督に就任しました。2006年3月には、地元メルボルンで開催されたコモンウェルスゲームズの開会式で、クイーンズ・バトン・リレーの最終ランナーを務め、大会を盛り上げました。総督退任は2006年4月でした。

2022年2月24日、ジョン・ランディは91歳でその生涯を閉じました。

主な実績



1956年メルボルンオリンピック 1500m 銅メダル
1954年 1マイル 3分58秒0 世界新記録

関連書籍



『パーフェクトマイル 1マイル4分の壁に挑んだアスリート』(ニール・バスコム著、松本剛史翻訳、ソニーマガジンズ、2004年)

外部リンク



ジョン・ランディ - Olympedia(英語)

ジョン・ランディは、陸上競技選手としてだけでなく、政治家としてもオーストラリア社会に貢献した人物として、その名が記憶されるでしょう。

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