ジョージ・スミス (宣教師)

ジョージ・トーマス・スミス（George Thomas Smith、1843年10月16日 - 1920年）は、アメリカ合衆国の宣教師であり、キリスト教のディサイプルス派に属していました。

オハイオ州デイトンで生まれたスミスは、アメリカ史における重要な転換期である南北戦争の勃発に際し、北軍に志願して兵士として従軍しました。激戦地での戦闘に参加した彼は、負傷し、結果として南軍の捕虜となるという過酷な経験をしました。この戦争での体験は、彼の人生観や信仰に大きな影響を与えたと考えられます。

戦後、スミスはベサン大学に進学し、学業を修めました。卒業後は牧師としての道を歩み、10年間、教会での牧会活動に献身しました。しかし、彼は次第に海外での宣教活動への関心を深めていきます。

1883年、スミスは宣教師としての新たな一歩を踏み出しました。チャールズ・ガルストと共に日本へ派遣され、10月中旬に秋田の地を踏みました。しかし、異国での生活は困難を伴い、1885年には在住わずか10か月で妻が秋田で病死するという悲劇に見舞われました。深い悲しみを乗り越え、スミスは宣教活動を継続し、秋田教会（現在の日本基督教団秋田高陽教会）の設立に大きく貢献しました。その後、彼は一時帰国し、キャンデイス・ラモン（Candace Lhamon）と再婚しました。

1890年、スミスはミーシャンと共に再び秋田を訪れました。その後、東京へ移り、本郷地区を中心に伝道活動を展開しました。1892年に宣教師を引退し、アメリカへ帰国。激動の時代を生きた宣教師としての生涯を終えました。

ジョージ・トーマス・スミスの日本での宣教活動は、初期の日本のキリスト教史において重要な役割を果たしました。彼の献身的な働きは、多くの人々に感銘を与え、その精神は今もなお受け継がれています。

参考文献
『日本キリスト教歴史大事典』教文館、2003年
守部喜雅『日本宣教の夜明け』いのちのことば社、2009年

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