ジョーダン・ヒックス

ジョーダン・ヒックス：169km/h超の速球と度重なる試練を乗り越えた投手

ジョーダン・マッキンリー・ヒックスは、1996年9月6日、アメリカ合衆国テキサス州ヒューストン生まれのプロ野球選手です。右投げ右打ちの投手として、MLBで活躍しています。 2024年現在、サンフランシスコ・ジャイアンツに所属しています。

カージナルス時代：メジャーデビューと最速球

ヒックスは2015年のMLBドラフト3巡目（全体105位）でセントルイス・カージナルスから指名を受け、プロ入りしました。マイナーリーグでの経験を経て、2018年3月29日、ニューヨーク・メッツ戦でメジャーデビューを果たします。

この年、彼は73試合に登板し、3勝4敗6セーブ、防御率3.59という成績を残しました。特筆すべきは、5月20日に記録した自己最速105.1mph（約169.1km/h）の速球です。これは当時MLB最速タイ記録でした。この圧倒的な球速は、多くのファンと関係者の注目を集めました。

しかし、2019年にはクローザーとして活躍する一方で、6月下旬に靱帯損傷が判明し、トミー・ジョン手術を受けることになります。シーズン途中で戦列を離れることとなり、復帰への道のりが始まりました。

試練と復帰：糖尿病とCOVID-19

2020年は、前年の手術からの回復に加え、1型糖尿病という持病を抱えていたヒックスにとって、大きな試練の年となりました。さらに、COVID-19の世界的流行により、感染リスクを回避するためシーズンへの参加を見送る決断をしました。自身のTwitterでその決断を公表し、ファンにその状況を伝えました。

そして、約1年9ヶ月ものブランクを経て、2021年3月に待望の復帰を果たします。シーズン開幕後も10試合に登板しましたが、5月14日には60日間の故障者リスト入りとなるなど、完全な復活までは苦しい道のりが続きました。

ブルージェイズ時代：歴史的な背番号

2023年7月30日、ヒックスはアダム・クロフェンスタイン、セム・ロバースとのトレードで、トロント・ブルージェイズへ移籍しました。ブルージェイズでは「12」番を着用することになりました。この背番号は、かつてロベルト・アロマーの永久欠番でしたが、アロマーの過去の性犯罪が発覚したことに伴い解除されたものでした。ヒックスは、この背番号を着用した最初の選手となりました。

同年のシーズン終了後、ヒックスはフリーエージェント（FA）となりました。

ジャイアンツ時代：大型契約

2024年1月12日、ヒックスはサンフランシスコ・ジャイアンツと4年総額4400万ドルという大型契約を結びました。球団公式サイトが発表したこの契約は、ヒックスの潜在能力と将来性への大きな期待を示すものでした。

投球スタイル：シンカーとスライダー

ヒックスの投球スタイルは、シンカーを軸として組み立てられています。このシンカーを投じた際に、自己最速となる169km/h超の球速を記録しました。変化球としてはスライダーを投げています。

未来：さらなる活躍への期待

数々の試練を乗り越え、メジャーリーグで活躍を続けるジョーダン・ヒックス。彼の今後の活躍に、世界中の野球ファンは大きな期待を寄せています。

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