ジョー・バロウ

ジョー・バロウ：シンシナティを熱狂させるQBの軌跡

ジョセフ・リー・バロウ（Joseph Lee Burrow, 1996年12月10日 - ）は、アメリカ合衆国アイオワ州エイムズ出身のプロアメリカンフットボール選手。NFLのシンシナティ・ベンガルズに所属し、クォーターバック（QB）としてチームを牽引しています。

アメフト一家に育つ

バロウは、父ジムがカナディアン・フットボール・リーグやNFLのグリーンベイ・パッカーズで活躍したディフェンシブバック（DB）であり、引退後はカレッジフットボールのコーチを務めるという、まさにアメフト一家に生まれ育ちました。祖父も2人の兄もアメリカンフットボールをしていたという環境で、バロウがアメフトを始めるのは必然だったと言えるでしょう。6歳の時、父がコーチとして参加した2002年のローズボウルを観戦したことがきっかけで、本格的にアメフトに打ち込むようになりました。

高校・大学時代

オハイオ州のアセンズ高校では、QBとしてチームを牽引し、学校史上初の7回のプレーオフ勝利に貢献。その活躍から、彼のベンガルズ入団後には、学校のフットボールスタジアムが「ジョー・バロウ・スタジアム」と命名されました。

大学はオハイオ州立大学に進学しますが、ドウェイン・ハスキンズの活躍もあり、レギュラーの座を掴むことはできませんでした。しかし、2018年にルイジアナ州立大学（LSU）に転校すると、才能が一気に開花。移籍後すぐに先発QBの座を獲得し、2019年には15試合で5671ヤード、60タッチダウン、レイティング202.0という驚異的な記録を樹立。チームをカレッジ・フットボール史上初の全勝優勝に導き、ハイズマン賞にも輝きました。

NFLでの活躍

2020年のNFLドラフトでは、地元オハイオ州を本拠地とするシンシナティ・ベンガルズから全体1位指名を受け、プロの道へ進みます。しかし、ルーキーイヤーの2020年シーズンは、第11週にACL断裂という大怪我を負い、シーズンエンドとなってしまいました。

2021年シーズンには見事復活。第4週には週間MVPを受賞し、第16週のボルチモア・レイブンズ戦では、1試合のパスヤードでチーム記録を更新。カンザスシティ・チーフス戦では4タッチダウンを挙げる活躍でチームを地区優勝に導きました。プレーオフでは、レイダース、タイタンズを撃破し、AFCチャンピオンシップゲームではチーフスを破り、第56回スーパーボウルに進出。惜しくもラムズに敗れましたが、年間最優秀カムバック賞を受賞しました。

2022年シーズンには初のプロボウルに選出され、チームを北地区優勝に導きました。しかし、プレーオフではAFCチャンピオンシップゲームで再びチーフスに敗れました。

2023年シーズン開幕直前には、年俸でNFL史上最高額となる契約延長を果たしましたが、シーズン中に右手首の靱帯を断裂し、残りのシーズンを欠場することになりました。しかし、2024年シーズンには再びカムバックを果たし、2度目の年間最優秀カムバック賞を受賞しました。

ジョー・バロウは、その卓越した才能とリーダーシップで、シンシナティ・ベンガルズをNFLの強豪へと押し上げました。彼の今後の活躍から目が離せません。

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